第13話「少女は少女に恋をした」 |
はずむはやす菜を選び、とまりとも友達に戻り、
すべてが良い方向に向かったはずだった。
しかし、ある出来事があってからはまた、
はずむととまりの間に微妙な距離が生まれつつああった。
全てのきっかけは、やす菜がはずむに言った言葉だった。
自分はもう一人で歩けるから大丈夫。
やす菜はそう言ってはずむをフってしまったのだ。
実際、やす菜は以前とは見違えるような積極的で明るい娘になっていた。
やす菜の言葉を聞いたはずむはショックを受けるが、
やす菜がそうしたいのならと受け入れる。
その後はずむは、悩んだ末、とまりに告白をした。
しかしとまりは急にそう言われても素直になれず、
何も答えずに去ってしまった。
それから何ヶ月かが過ぎ、季節は冬。
クリスマスが近づいていた。
とまりはまだはずむの告白に答えを言わないまま、
はずむ達を避けるようにして過ごしていた。
あゆき達はとまりを心配するが、とまりは意地を張ったままだ。
はずむは自分の家で行うクリスマスパーティーにとまりを誘う。
しかしとまりは行くとも行かないとも答えてくれない。
そんなとまりを見て、やす菜はある計画を思いつく。
とまりにもはずむにも内緒でだ。
クリスマス当日になってもとまりの態度は変わらず、はずむ達を避けたままだった。
結局、クリスマスパーティーにはとまりは現われなかった。
パーティーがお開きになった後、やす菜はかねてからの計画を実行に移す。
あゆきと明日太にとまりを迎えに行ってもらい、鹿島山へ連れて行かせた。
その間に自分ははずむを鹿島山へ連れて行く。
とまりはあゆきによって半ば強引に家から連れ出され、
鹿島山のふもとに連れてこられた。
とまりはそこで待っていたやす菜と出会う。
やす菜はとまりに言う。
自分は、はずむのおかげで一人で歩けるようになった。
でも、このまま甘えたままでは、はずむ無しでは歩けなくなってしまう。
だから私ははずむから身を引く、と。
そして、はずむを本当に幸せにできるのはとまりだから
素直に本当の気持ちを伝えるように勧める。
その言葉で意を決したとまりは、鹿島山に登り始める。
そして、そこで待っていたはずむに出会う。
とまりはついに、あの時のはずむの告白に答える。
「お前のお嫁さんになってやる」と。
こうして晴れて2人の気持ちが通じ合ったのだった。
そこに、様子を密かに見ていたジャン・プゥが現われ2人を祝福する。
ジャン・プゥは不思議な力で2人をウェディングドレス姿に変える。
そしてはずむととまりは誓いのキスを交わす。
そしてジャン・プゥは不思議な力でやす菜をサンタ姿に変え、
さらにトナカイとソリを作り出す。
やす菜ははずむととまりにソリに乗るように勧める。
2人がソリに乗り込むと、やす菜はトナカイの手綱を握り、ソリを出発させる。
そしてソリは浮かびあがり、夜空を飛んでいく。
それは、クリスマスの夜に起こった愛という名の小さな奇跡。
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みどころ |
TVシリーズが終了してから約半年後にリリースされたOVAです。
おまけ的な後日談というわけではなく、純粋な完結編です。
結果的にはTV番の最終話(第12話)はここへのつなぎだったことになりますね。
TV版のラストではずむはやす菜とは結ばれましたが、
お互いに何か引っかかる物があったようです。
純粋な愛というより、一種の依存なのではないか?・・・ということでしょうか。
それに気付いたやす菜が、あえてはずむをフッてしまいます。
とまりのほうがはずむを幸せにできると考えたのも要員の一つと思われます。
TV版のラストからここに至るまでの過程がやや急な気がしますが、どうでしょうか。
また、やす菜にフラれたはずむはとまりに告白しますが、ここもやや急な気がしました。
はずむなりにいろいろと悩んだ末のことだったのでしょうが、
その過程がほとんど描かれていないためちょっと唐突に感じました。
かねてからいろいろと憶測を呼んでいたTV版の最後の台詞「あのね──」ですが、
つまりはやす菜のはずむへの別れ話と、
はずむのとまりへの告白だったということになりますね。
最終的にはとまりと結ばれてハッピーエンドになりましたが、
TV版でやす菜と結ばれてハッピーエンドだと思っていた人には
ちょっと抵抗がありそうな気もします。
ですが、とまりは自分の気持ちに素直になれるようになり、
やす菜は自分の足で歩く強さを身に付けたという点では、
皆が少しずつ成長したということで良かったのかもしれません。
ラストのウェディングドレスのシーンはなかなか良いと思います。
2人ともウェディングドレスというのは百合っぽくて好きです。
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