あらすじ |
今日も初美の行方を捜す葉月達は、
イヴの痕跡があるという上津未原(かみつみはら)の世界にやって来た。
葉月は、たまたま道で出会った少女から「どこかで会った気がする」と言われる。
その少女が言うには、以前会った時には
自分の他に "さらら" "アンナ" "寧々" という3人の姉も一緒だったらしい。
そのうち、さららは後に天皇にもなった立派な人物だったという。
なんとなくさららのことが気になった葉月は、リリスにさららのことを尋ねる。
リリスによると、さららとはなんと持統天皇(645年生まれ)のことらしい。
葉月たちは、さららに直接会うため、
本のページをめくり7世紀の上津未原へとワープする。
そしてたどり着いた先は、飛鳥文化の栄える都。
葉月は、2日酔いでダウンしてしまったリリスを置いて、周辺の探索を開始する。
そこで葉月は高貴な身分らしき母娘と出会い、仲良くなる。
葉月は、薬作りの名人だという母親から、リリスのための薬を貰う。
そして娘の一人・寧々と一緒に薬をリリスのところに届に行く。
薬の効果はてきめんで、薬を与えた途端リリスの2日酔いは一瞬で回復した。
その時、葉月は初美とそっくりな少女を見かける。
寧々によると、その少女こそが寧々達の姉・さらら。
思わず「初美!」と叫んで飛びつこうとする葉月だったが、
あと一歩のところで、葉月の体は別の時空に飛ばされてしまう。
どうやら図書館世界のコゲちびが悪戯でページをめくってしまったようだ。
そしてまたタイムワープさせられた葉月達は、さらに昔の時代に辿りついた。
葉月達はそこで、「イサミヒコ」と呼ばれる男が
怪しげな光の剣で大勢の人間を斬殺する光景を遠目に目撃する。
無惨な虐殺を目にし、いたたまれなくなった葉月達は、
けっきょく初美のてがかりを得られぬまま、上津未原を後にするのだった。
みどころ |
「桃華月憚」と「ヤミと帽子と本の旅人」のクロスオーバーです。
両作の原作・アニメスタッフともに同じだからこそできた共演ですね。
「桃華月憚」のうちの1エピソードという扱いですが、終始葉月の視点で描かれており、
ほとんど「ヤミ帽」の特別編と言ってもいい内容です。
なんとBGMまでヤミ帽のものが使用されています。
時系列的には、葉月がまだ初美を探していた頃になります。
葉月の初美大好きぶりは相変わらず健在です。
初美(に似た人)を見つけた途端「はつみぃぃぃ」と叫ぶのもヤミ帽の頃と同じですね。
他にも寧々に)愛の素晴らしさを語る場面があったり、
クールな中にも情熱が見え隠れする以前どおりの性格に描かれています。
ところで、結局さららがイヴとどういう関係にあったのかは
ほとんど説明がありませんでした。
声を出して喋れることや、
16歳で消えなかった(実在の持統天皇はそれなりに長生きしています)ことを
考えると、やはりイヴそのものではないのでしょうか。
藤姫のようにイヴの性質の一部だけを受け継いだ別人である可能性が高そうです。