神無月の巫女(漫画版)
 作品概要

介錯さんによる原作漫画版。
2巻の表紙裏にある介錯さんのコメントによると、テーマは
「ヒーローを押しのけてまで、世界を捨ててまで求め合う禁断の(女の子同士の)愛」。

姫子と千歌音の愛憎を軸にしつつオロチとの戦いを描くストーリーは
アニメ版とほぼ同じですが、いくつかの点でアニメと異なる点があります。

たとえば、千歌音の祖父が黒幕として設定されており、
彼がオロチを利用して世界を掌握しようとしたのが物語の真相のように描かれています。
千歌音は当初この祖父の計画に従って行動していたため、
巫女の使命について最初からある程度知っていたり、
オロチ衆と面識があったりします。

それより、百合的に特に重要なのは
千歌音と姫子の絡みがアニメ版とだいぶ違うことです。

特に中盤の千歌音が姫子を犯すシーンはアニメより生々しくなっていて、
巫女の資格(=純潔)を奪う様子がハッキリと描かれています。
また、終盤にも千歌音が姫子を半裸にして
体中に跡が残るほど強いキスをするシーンがあるなど、
アニメよりちょっと過激です。

さらに、ラストがアニメ版とはかなり違っていています。
アニメの最終回では、千歌音が姫子と世界を救うために一人月の社に残って
オロチを封印したように描かれていました。
しかし、漫画版では自分一人で犠牲になろうとする千歌音のもとに、
「千歌音ちゃんのいない世界なんていらないよ!」と姫子も追いかけてきて、
二人でともに月の社に封印されるという結末になっています。

また、コミックの巻末には転生した姫子と千歌音の幸せそうな姿が描かれています。
アニメのエピローグでは
元の世界に近いパラレルワールドのようなものが描かれていましたが、
漫画版では千歌音と姫子が双子の姉妹として生まれ変わるという
元の世界とはまったく別の可能性が描かれています。

漫画版は全2巻で完結ということもあって
ストーリー展開や設定に一部わかりにくいところや
描写が不十分に感じられる部分もありますが、
千歌音と姫子の愛はアニメとは少し違った形で読み応えがあるので、
アニメのファンだった方には是非読んで欲しい作品です。

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