神無月の巫女

 あらすじ

舞台は山間ののどかな村。
来栖川姫子(くるすがわ ひめこ)と姫宮千歌音(ひめみや ちかね)は、
ここで静かで平和な毎日を過ごしてきた。

才色兼備で皆の憧れの的である千歌音と、
これといった取り得のない平凡な少女である姫子。
一見まったく違うように見える二人だったが、
やがて不思議と惹かれあうようになっていく。

しかし2人の16歳の誕生日に起こった異変をきっかけに、
姫子と千歌音は「日の巫女」「月の巫女」として
前世から続く「オロチ」との戦いの運命に巻き込まれていく。

 みどころ

百合+伝奇+ロボットバトルという感じの、
ちょっと変わった組み合わせでできている百合アニメ。
惹かれあう千歌音と姫子、
そして姫子に恋する少年ソウマの愛憎劇がメインですが、
毎回巨大ロボット(一応設定としては神の化身のようなものらしい)同士の
戦闘シーンが入り、物語の壮大さを演出しています。

 百合ポイント

千歌音ちゃん、私どうしたらいいのかな

全体的には姫子と千歌音の百合がメインですが、
前半は姫子の幼馴染の少年・ソウマを交えた三角関係の要素が強いです。

千歌音は姫子に秘めた恋心を抱いていて、
親友としての立場からいろいろ姫子を助けてくれます。
姫子はそんな千歌音の気持ちには気づかずにソウマに淡い恋心を抱いており、
千歌音は姫子の笑顔が見れるならと思ってソウマとの恋を後押しすることもあります。
ですがその結果ソウマと仲良くなった姫子を見て、
余計につらい気持ちにかられるなど、切ない感じの描写が多いです。

転機は物語中盤に訪れます。
千歌音が報われない恋心に耐えられず、
欲望のままに姫子の体に手を出してしまうのです。
そして姫子のもとを去り、敵であるはずのオロチ側についてしまいます。
このあたりの真意はストーリー終盤で語られるのですが、
ここからクライマックスへ向けての展開は驚くべきものがありました。

それまで千歌音の気持ちに気づかず、
純粋に親友として慕っていた姫子は
千歌音のこの行動に強いショックを受けます。
そしてしばらくくよくよ悩むのですが、
千歌音の本当の思いを知るべく、自分から千歌音のもとに向かいます。
このあたりから姫子も自分の中の千歌音に対する特別な感情に気づいていて、
千歌音との再会をきっかけに、百合的な盛り上がりは最高潮に達していきます。

俺にできることはせいぜい地球を救うことくらいだ

百合的には一見とても邪魔な存在であるソウマ君。

姫子とソウマは幼馴染ということもあって中盤までは結構良い感じの仲で、
デートしたりキスしたりするところまで行きます。
また、悪の軍団を裏切って正義の味方として戦う設定や、
女の子を守るためにロボットに乗って戦う姿など、
熱血ヒーロー的な要素を多々持っているため、
普通のアニメだったら間違いなく主役ポジションだったといえます。

しかしそうならないのがこのアニメの面白いところで、
姫子が千歌音の本当の気持ち、
そして自分の中の千歌音への想いに気づいた後は、
いつのまにかソウマは影の薄い存在になっています。

終盤になるとすっかり姫子と千歌音だけの世界で物語が進行しており、
ソウマはただロボットに乗って戦うだけの役回りとなっています。
姫子が振り向いてくれることは無いと思いつつも、
姫子を、そして地球を守るために戦う姿は泣かせるものがあります。
最終回でイチャイチャする千歌音と姫子を尻目に言った
「俺にできることはせいぜい地球を救うことくらいだからな」
という台詞は彼の生き様を端的に表現していると思います。

正直放送当時はかなりハラハラさせてくれたキャラクターです。
ソウマが順調に姫子との距離を縮めていく一方で、
千歌音はどんどん思いつめていたので、
最後はソウマと結ばれた姫子が悪に染まった千歌音を
泣く泣く倒して終わり・・・なんて結末もありえそうに思われました。
しかし終わってから見ると、
ソウマの存在は千歌音の忍ぶ恋を際立たせるための
演出として効果的に使われていたのではないかと思います。

 エピソード紹介他
アニメ版エピソード紹介

アニメ全12話の百合的なみどころを紹介。
ドラマCDの内容もついでにこちらで紹介します。

原作漫画版の紹介

介錯さんによる原作漫画の紹介。

京四郎と永遠の空

神無月の巫女と同じく介錯さん原作の作品で、
介錯さんの過去の作品から様々なキャラクターが設定を変えて登場する、
クロスオーバー的な要素の強い内容になっています。
神無月キャラの中でも特に千歌音と姫子は準主役クラスの扱いを受けており、
神無月の巫女で2人が好きだった方は一見の価値があると思います。

絶対少女聖域アムネシアン

こちらも介錯さんの作品。
主人公の「来栖守姫子」と「愛宮千歌音」をはじめ、
神無月の巫女と似ているようでちょっと違うキャラクター達が登場します。

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