良い点

• ヒロインにもよるが、女の子どうしの絆を恋愛レベルのところまで描いている。
• システムは快適。この手のゲームに必要な機能は完備されている。
• 動作も軽く、ロードも非常に速い（ただし、ダウンロード版だからかもしれない）。ミュージックアクションパートの前後で少し待つ程度。

悪い点

• シナリオが全体的に唐突かつ強引。
• 例えば、すくねの二重人格設定。 毎日のように別人格となってフラフラ出歩いているのに、 本人も周囲の人間もまったく気づいていないというのはちょっと・・・。 髪型や声のトーンは一応変わっているが、別人に見えるというほどではない。
• すくねのことが大好きで、 両方の人格と毎日のように会っているかぐらですら、 クライマックス直前のイベントまで同一人物だと気づかない。
• すくね以外のルートではすくねの二重人格・記憶喪失の件は放置されたまま終わる。 ゆうなはいつの間にか出てこなくなる。
• メインヒロインであるすくねのシナリオからしてこんな感じなので、 他のシナリオも…。
• BGMやSEの種類が少なく、場面と会っていないことが多々ある。 それほどシリアスなシーンとも思えないのにやたら暗いBGMが流れ続ける、など。

• 音楽がテーマのはずなのだが、音楽ものとして楽しむには苦しいシナリオ。
• 音楽に関する語彙が非常に乏しく、単に「良い」「悪い」といった 具体性のない抽象的な表現が連発される。 どのあたりがどう良いとか悪いとか、具体的に語られることはない。 音楽用語なども基本的にほとんど出てこない。 わかりやすいといえなくもないが、音楽ものらしくない。
• 架空の楽器「フォルテール」がストーリー上重要な意味を持つ・・・というよりこの楽器しかストーリーに絡んでいないのだが、 「心で弾く魔導楽器」と説明される程度で、どういう物なのかよくわからない （ただしこのメーカーのゲームに度々登場しているらしいので、他のゲームでは説明されているのかもしれない）。
• 演奏者の精神状態に音が左右されるという設定がシナリオの作成上便利だったのだろうが、 それに頼りすぎで、なんでもかんでも気持ちの問題で解決してしまう。 このあたりも音楽ものっぽくない。

良い点

• 自動でクリアしてくれるオートモードがあるため、音ゲーが苦手な人でも詰まることがない （ハードにしても初見でクリアできる程度の難易度ではあるのだが…）。
• さらに、オートモード中にリタイアを選ぶと1曲まるごとスキップできる。
• 画面上に現われるちびキャラのアニメーションは非常に可愛らしい。 場面によって様々なバリエーションがあり、1回しか見れないものもある。
• 曲も全体的に良い。

悪い点

• 基本的にシナリオの内容とかみ合っていない。
• 例えば、演奏する曲の内容について、シナリオ中でいっさい触れられることがない。 曲名すらまったく言及されない。
• 収録曲があまり多くなく、同じ曲を何度も何度もプレイさせられる。 たまに違う曲になったりもするのだが、同じ曲にせよ違う曲にせよシナリオ上での説明はない。
• 一応、同じ曲でもシナリオ上の状況設定（１人での演奏か、複数でのセッションか等）が違ったりするのだが、 ゲームの内容や音源には反映されておらず、やることは同じ。
• 演奏後、他のキャラから「良かった」「悪かった」「前よりずっと良くなった」「ちょっと間違えた」などと色々言われるのだが、 実際のプレイ内容とまったく関係なく、シナリオの都合によって言われることは決まっている。

• ボタンを押した時に鳴る楽器やパートがコロコロ変わり、プレイヤーが何を担当しているのかいまいちわからない。 ただ、フォルテールとはそういうものなのかもしれない。
• プレイヤーのボタン入力に対するリアクションは「譜面どおりに演奏される」か「まったく音が鳴らない」の2種類のみ。 押すボタンやタイミングを間違えても音に変化はないし、 アドリブとかもできない。 そのため、自分で演奏している感じがしない。
• 収録曲自体は悪くないのだが、J-POP的なノリの良い曲が多く、 由緒ある学校の音楽コンクールらしくない。 また、シナリオ上はだいたい１人か２人での演奏のはずなのだが、 流れる曲はCDの音源どおりなので非常に賑やか。いないはずの楽器や電子音、コーラス等がそのまま入っており、 雰囲気が出ない。
• これらの点は音ゲーとしてはよくあることなのかもしれないが、 音楽をテーマにしたストーリーである以上、もう少しこだわってほしかった気がする。