スプートニクの恋人

 あらすじ

「ぼく」には、すみれという少し変わった友人がいる。

すみれは作家になるのを夢見て、読書に明け暮れる生活をしている。
文学以外のことにはほとんど興味がなく、
22歳の現在になるまで誰かに恋をしたこともなかった。

そんな彼女が、ある日突然、激しい恋に落ちる。
相手の名前はミュウ。
韓国人で、すみれより17歳も年上で、そしてなにより、女性だった。

 みどころ

すみれとミュウの関係は完全に恋愛関係として描かれています。
すみれもミュウも互いを特別な存在として考えており、常に一緒にいたいと思っています。

また、すみれはミュウと精神的なつながりを求めるだけでなく、
性的関係を持ちたいとまで思っています。
(もっともミュウのほうはそうでもなかったようで、
この点が後半二人がすれ違う原因の一つになるのですが・・・。)
 
 
なおこの作品は、すみれとミュウが話の軸ではあるものの、
男性である「ぼく」の視点で書かれています。
たまにすみれやミュウの視点が入ることもありますが、
それもあくまですみれ達から聞いたことを「ぼく」が話す形式です。
ですので、百合目的で読むと主人公に関する描写が邪魔に思えるかもしれません。

また、ストーリー中盤からはある事情によりすみれが出なくなります。
さらに、終盤になるとミュウまでほとんど出なくなります。
その結果もっぱら男性主人公の一人語りで話が進んでしまうので、
そのあたりは不満に感じるかもしれません。
(百合としては不満、という意味です。純粋に作品としてはこれでいいのかもしれません)。

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