作品概要 |
2011年秋に発売された「白衣性恋愛症候群」に、
様々な要素を追加してリリースされたバージョンアップ版。
新ヒロインの登場を始め、大小さまざまな追加・変更がされています。
PSP版とPC版が同時発売されていますが、ここではPSP版を紹介します。
主な追加要素
- あみ・やすこを攻略対象ヒロインに昇格
- 完全新規ヒロイン「若本まゆき」を追加
- なぎさ・さゆり・はつみにアフターストーリー追加
- OP・EDが新曲に差し替え
その他の追加・変更点
- 通常スキップに加え「快速スキップ」を搭載(PSP版のみ)
- 次の選択肢までジャンプする機能を搭載(PC版のみ)
- 以前からあるシナリオは最初から既読に設定&ルート解放が可能
- 一部、既存シナリオの合間にも追加シーンあり
みどころ |
新ヒロイン達
新ヒロイン達のストーリーでも、オリジナル版の作風は踏襲されており、
病院を舞台に女の子同士の恋愛関係が描かれます。
いずれのヒロインもこれまでに無かったタイプの個性を持っており、
それぞれの個別シナリオもまた、特色溢れる展開を見せてくれます。
特にシナリオ面ではオリジナル版で目に付いた問題点を
改善または緩和しようとした努力が伺えるため好印象です。
投げっぱなしだったファンタジー要素「癒しの手」が
ちゃんと活躍するようになっていたり、
病院という舞台設定や患者とのふれあいも、
より自然かつ有効にストーリーに活かされています。
アフターストーリー
既存ヒロインであるなぎさ・さゆり・はつみのアフターストーリーは、
オリジナル版の各ハッピーエンドの続きとなっています。
看護士生活3年目のかおりのもとに、
新たに看護士となったさゆりが後輩としてやって来るのが、
3人のストーリーに共通する流れです。
いずれのシナリオも選択肢はなく、
スラスラと読める短編小説のような感覚で楽しめます。
爽やかなショートストーリーといった趣のお話から、
ヒロインとの仲に危機が訪れるシリアスなエピソードまで、
個性的なシナリオが揃っています。
百合ポイント |
今回も全ヒロインにキスシーンがあり、
女の子どうしの「恋愛」であることが明確に描かれています。
浅田あみ
昇格ヒロインその1。
既存シナリオでは年齢のわりに落ち着いた態度が印象的でしたが、
今回の個別シナリオでは、友人などの対人関係で悩む年相応の姿を見ることができます。
かおりへの懐き方には何段階かあり、「姉」であったり「恋人」であったりと、
そのあたりの関係の変化もみどころ。
また、同スタッフの過去作「ソルフェージュ」とのリンク要素を持っており、
あちらのストーリーで重要だった魔導楽器「フォルテール」を
演奏するシーンが何度か登場します。
あちらの主人公達の現在の様子があみ視点から語られる一幕もあり、
素敵な大人の女性になっていることが伺えますが、
やや抽象的・断片的な言及にどとまっているので
本格的なクロスオーバーを期待していた人にはちょっと物足りないかも?
山之内やすこ
昇格ヒロインその2。
既存シナリオではシーンによって人格の揺れ幅が大きく、
つかみどころのないキャラクターとなっていましたが、
今回の個別シナリオではそのような人格が形成されるに至った過去が明かされています。
既存キャラクターの中では珍しく、
かおりに特別強い関心は持っていないキャラクターだったので、
かおりのほうから惚れて積極的にアタックするちょっと新鮮な構図を見ることが出来ます。
普段見せている軽い言動とは裏腹に、実際は非常に気難しく屈折した性格の持ち主です。
1度は拒絶されながらも必死に心を開かせようとするかおりの健気さもみどころ。
若本まゆき
期待の完全新規ヒロイン。
中学生くらいに見えますが実は…という感じで、
いさぎよくリアリティを切り捨てたファンタジー色の強い物語が展開されます。
既存シナリオでは正直言って設定倒れで役に立っていなかったかおりの「癒しの手」が
ついに大活躍するシナリオでもあります。
過去にはつみとの因縁があったり、
ゲームの舞台である「百合ヶ浜総合病院」の設立経緯が明かされたりと、
世界観全体に関わる要素がいろいろと補完されている部分もあります。
そのため、新キャラクターながらも従来からのファンにも見逃せない内容です。
ストーリー描写に力を入れたせいか恋愛要素はやや控えめなのですが、
最後の最後で強烈な「プレイ」が登場。必見です。
藤沢なぎさ
既存シナリオ部分はほとんど以前と同じですが、共通ルートの後半に
かおりをいじめたさゆりに「あの女、許せない…。」と
例の目つきで復讐を誓うちょっと危ないシーンが追加されています。
また何かやらかすのかと期待・・・いや心配になってしまいましたが、
実際はその後特に何もなかったりします。単なるギャグシーンだったんでしょうか。
アフターストーリーでは、なぎさは街の大きな病院から引き抜きを受け、
かおりと離れ離れになってしまうかもしれないという展開に。
ラブラブな内容が多いアフターストーリーで唯一、
恋愛面での危機が描かれている少しシリアスな内容です。
堺さゆり
既存シナリオでの追加や変更は特にありませんが、
どのキャラのアフターストーリーでも新人看護士として百合ヶ浜にやってくるため、
いずれのシナリオでもそれなりに目立つ活躍をしています。
特に、はつみのアフターストーリーでは下手するとはつみより出番が多いような…。
既存シナリオでは非常にツンツンしたキャラで、
今回も仕事中は同様の態度なのですが、
2人きりの時は一転して子どものようにかおりに甘えてきてくれます。
恋愛面での波乱の展開なども特にないので、最後まで安心して見ていられます。
また、既存シナリオではバッドエンドを象徴する場所として使われていた「海」が
今回は大きく印象の違う描かれ方で登場しています。
オリジナル版からのファンならこのあたりも注目です。
大塚はつみ
仕事のできる大人の女性としての側面と、
恋愛面での純情さのギャップが印象的なキャラクターでしたが、
今回のアフターストーリーでもそのあたりが存分に描かれています。
さらに、今回は恋愛面でも意外と策士な面を見せており、
既存シナリオとは逆にかおりをリードする展開が見られます。
また、まゆきシナリオでも重要な役割を与えられており、
こちらでは既存シナリオでやや投げっぱなしになっていた
はつみの過去や「能力」の設定が補完されています。
ところで既存シナリオでは29歳でしたが、
2年後のアフターストーリーではついに三十路を超え……
いえなんでもありません。
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