花とアリス

ストーリー

荒井花(通称ハナ)は、親友の有栖川徹子(通称アリス)にいつも振り回されている。

今日もアリスにあちこち連れ回されていた花だったが、
そこで見かけた高校の先輩・宮本雅志に一目惚れしてしまう。

宮本先輩に対し、ストーキングまがいのアプローチを開始する花。
花はふとした拍子に宮本先輩を記憶喪失だと思い込ませ、
自分と宮本先輩は恋人同士だということにしてしまう。

アリスとも口裏を合わせ、宮本先輩の記憶を次々と改ざんしてく花。
しかし、宮本先輩はそんな花よりもアリスのことが気になるようで・・・?

作品概要

「Love Letter」「スワロウテイル」などで知られる、岩井俊二監督による実写映画。
少女たちの微笑ましくもちょっと切ない青春が描かれています。
主演は、花役として鈴木杏さん、アリス役として蒼井優さん。

もともとはWebやキットカットの特典DVDとして連載されたショートフィルムでしたが、
のちに長編として再構成されて劇場公開されました。

岩井俊二監督作品の中でも、特にファンの人気が根強い作品の1つです。
私も「スワロウテイル」「リリイ・シュシュのすべて」などと並ぶお気に入りの1つ。

映画の公開から約10後となる2015年には、
前日談にあたるアニメーション映画「花とアリス殺人事件」が公開されました。
花とアリスの出会いから親友になるまでの物語が描かれています。

百合ポイント

あらすじから想像できるように、男女の三角関係を含むストーリーです。
ですが、タイトルが「花とアリス」であることからもわかるように、
女の子2人の友情が重要なテーマになっています。

言葉で直接的に語られるシーンはあまりないものの、
作品全体を通して花とアリスの絆が強く伝わってきます。
言葉よりも映像と演出で魅せる岩井俊二監督らしい作風と言えるかもしれません。

意識的に百合を狙った描写はほとんどありませんが、
冒頭の電車の中でアリスに寄りそっている花や、
中盤に花がアリスを抱きしめるシーンあたりは比較的良い感じのシーンかもしれません。

そして終盤、花が文化祭のステージに立つ場面のやりとりも印象的。
観客席には、アリスただ1人の姿があります。

花「人っ子1人いやしない」
アリス「1人、いるよ。」

決して2人の間に恋愛感情などがあるわけではないのですが、
これをきっかけに百合に目覚めた(興味を持った)と語る人が結構いるとかいないとか。
そんな不思議な魔力を持つ映画です。


なお花とアリスの出会いは作中でも軽く回想されていましたが、
2015年公開の「花とアリス殺人事件」内にて深く掘り下げられています。


最終更新:2015/3/25

inserted by FC2 system