百合漫画紹介最後の制服

　あらすじ

舞台は、椿ヶ丘学園の女子寮。
2人部屋での同居が原則になっているこの寮では、
生徒達は非常に近い距離の中で生活している。
そんな中で、やがて彼女達の間には淡い恋心が芽生え始め…。

　みどころ

とある女子高の寮を舞台に、少女達の恋模様を描いた群像劇です。
メインの登場人物はだいたい決まっていますが、
エピソードによって主人公が違い、
意外なサブキャラにスポットが当たることもあります。

かならずしも甘々な話ばかりではなく、
むしろ切ない感じのエピソードが多いです。
同居人でしかも同性に恋してしまった自分の気持ちの
やり場に悩むような描写が多くみられます。

　百合ポイント

全体的には、それぞれ同室の藍と楓子、
紡と紅子の登場回数が多く、ストーリーの中心となっています。

藍は、基本的には素直で優しい女の子なのですが、
内気で大人しい面があり、自分の気持ちを上手く伝えられないことがあります。
同室の楓子に恋してしまいますが、
自分のそんな気持ちを伝えるべきか、また、どう伝えようか悩み続けます。

一方、楓子は無邪気で、良くも悪くも子供っぽいところがある女の子です。
楓子も藍のことを好きなのですが、
果たしてどういう意味での「好き」なのか、藍にはわかりません。

この２人の中では、どちらかというと藍に視点が置かれることが多く、
モノローグ等で藍の楓子への恋愛感情がハッキリと伝わってきます。
しかし楓子の気持ちのほうはあまり詳細に描かれることがないため、
読者としては藍と同じくちょっとモヤモヤする感覚を味わうことになります。

藍達より1つ上の上級生コンビ、紡（つむぎ）と紅子。

紡はボーイッシュな外見の少女で、
普段は無愛想で冷たいけど、実はすごく仲間思いで優しいというキャラです。
基本的に不器用で、自分の気持ちを相手に伝えるのはあまり得意ではありません。

紡と同室の紅子は成績優秀・スポーツ万能の優等生タイプで、そのうえ美人なため、
下級生のファンも多いようです。
しかし紡などの親しい人の前では意外とお茶目な面を見せたりもします。
何を考えているのかわかりにくい、つかみどころのないタイプです。

この2人は互いの中に比較的ハッキリとした恋愛感情を持っているのですが、
互いにその気持ちを伝えあうようなことはなかなかありません。
不器用な紡が、子悪魔的な紅子に弄ばれるような展開が多いです。

3巻後半からのクライマックスは
この2人が実質的にストーリーの中心になっており、
お互いの気持ちが通じあう様子が描かれています。

紅子に片想いしているキャラで如月先輩という人がいます。
ちょっと変態だけど見た目はかっこいいという、
ストパニで言うなら剣城要のようなタイプです。
紅子に対してたびたび自分の彼女になれと要求しますが、
紅子はちょっと困っています。

さらに如月先輩の親友で珠実というキャラがおり、
こちらは如月先輩に密かに恋愛感情を持っています。
しかし如月先輩は紅子しか眼中にないので振り向くことはありません。

また、紡に片想いしている杏（あんず）という娘がいます。
最初は紡のことが苦手だったようですが、
ある事件で助けられてから紡のことが好きになりました。
しかし紡は紅子に夢中なので、やはり杏は報われません。
恋に悩む乙女どうし通じるものがあるのか、藍と仲良しになったりもします。