魔法使いのたまごたち

 あらすじ

科学文明の発達により、「魔法」が必要とされなくなって久しい時代。
しかしそんな時代でも、魔法使いを目指す少女達がいた。

ダンデライオン魔法女学園に通い、同じ寮に住む6人の少女――
パム、クリス、サラ、フラン、リズ、チェル。
それぞれの想いを胸に魔法使いを目指す彼女達は、
時に対立しながらも、次第に強い友情を育んでいく。

 みどころ

魔法使い養成専門の女学校を舞台にした作品です。
魔法が実在している世界観ですが、特にそれをめぐる大事件が起こるわけでもなく、
基本的に学園内の平和な日常を描いています。
6人の主人公それぞれの個人的な問題や、お互いの絆をメインとして扱っています。

 百合ポイント

この学校には「リングメイト」という制度があります。
これは、信頼する生徒どうしで指輪を交換し、
変わらぬ友情を誓い合うというものです。
6人のメインキャラクターは、
パムとクリス、サラとフラン、リズとチェルという組み合わせで リングメイトになっており、
ストーリーもこの組み合わせを中心に進行する部分が多いです。
いずれの組も、最初は喧嘩したりもしますが、
次第に強い絆で結ばれるようになっていきます。

メインとなる3組のリングメイトのうち、百合度が特に高いのはリズとチェルです。

リズはちょっと高飛車な感じのお嬢様です。
一方、チェルはリズと同室の乙女チックでちょっとドジな女の子。
最初リズはトロいチェルのことをうっとうしく思っていましたが、
ある出来事をきっかけに仲良くなり、指輪を交換してリングメイトになります。

リズと打ち解けた後のチェルはとにかく積極的で、
リズをいつもキラキラした潤んだ瞳で見つめるようになり、
ことあるごとに抱きつこうとします。
また相当嫉妬深く、リズが他の女の子と仲良くしているのを見ると
ヤキモチを焼いて機嫌を悪くしてしまいます。
学園内の百合な噂に嬉々として耳を傾けたりしていますし、
どうやらそっちの趣味の人である可能性が高そうです。

リズは最初はチェルに冷たかったのですが、一度打ち解けて仲良くなってしまうと、
チェルからの猛烈なアタックに対してまんざらでもない反応をするようになり、
ツンデレっぽいキャラになっていきます。
チェルから何かさされるたびに顔を赤らめてるので、
一応チェルのことをかなり意識してはいる模様です
(鈍感なのか、チェルの想いが恋愛感情だということには気づいていないようですが・・・)。

リズとチェルの2人はストーリーが後半に向かうにつれてどんどん出番が多くなり、
初期は主役扱いだったパムをすっかり喰ってしまっている感さえあります。
最終巻の最後のページは、
なんと2人のウェディングドレス姿のイラストで締められています。


また、舞台が女子校ということもあってか、
メインキャラ以外にも百合な関係を伺わせるキャラが何組か登場します。
男女の恋愛はほとんど出てきませんし、 全体的に百合度の高い作品です。

 その他

クリスティナ・コットン

この作品は、女学園に通う女の子6人の絆を描いた作品・・・のはずなのですが、
実はとんでもないキャラが混じっています。
パムのリングメイト・クリスです。詳しくは以下で。

クリスの秘密

絵柄

表紙を見ればわかると思いますが、絵柄がかなりアクが強いというか、特徴的です。
女の子ばかりの作品ですが、いわゆる「萌え」系の絵とは程遠い雰囲気です。
読んでいるうちに慣れますし、
もともと萌えを狙った作品でもないのでそれほど問題無いとは思いますが・・・。

終盤の展開

全3巻で完結していますが、終盤やや急な展開をしています。
序盤から少しずつ張っていた伏線を急に回収しにかかり、
たいした盛り上がりもないまま一件落着となってしまいます。
その後新たな仲間が加わって新展開に突入・・・かと思いきやそこで完結。
作中時系列的にはまだ入学間もない頃のはずですし、
まだまだやれるネタはありそうな感じだったので、ここで完結してしまったのは少し残念です。
ひょっとして、打ち切りでしょうか・・・・?

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