作品概要 |
「青い花」でおなじみの志村貴子さんの短編集。
一つ一つのエピソードは基本的に独立しており、
主人公もそれぞれ異なっていますが、
いずれも普通とはちょっと違う形の恋愛関係をテーマにしています。
近親相姦や同性愛(ホモ含む)など、やや倒錯的とも言える内容を含んでおり
好みが分かれるかもしれません。
別にホラーではありませんが幽霊が登場するエピソードもいくつかあります。
そのような一見ちょっと異常な出来事がありつつも、
まるで平和な日常の一部かのごとく
淡々とマイペースにストーリーが進行していくのが印象的です。
百合ポイント |
全2巻のコミックに収録されているエピソードのうち、3つに百合要素があります。
以下、あらすじとみどころを簡単に紹介します。
scene5
学生時代には同性からモテモテだった女の子"百合"も、いつのまにか男性と結婚。
そんな百合の結婚式に友人として出席した女性の中には、
今でも百合に特別な思いを抱いている者もいました。
百合の高校時代の彼女"えっちゃん"と、短大時代の彼女"あや"。
百合が結婚してしまい傷心の2人は、
百合に関する昔話で盛り上がるうちに意気投合し、
お互いに惹かれあうようになります。
比較的大人(20代半ばくらい?)の女性同士の恋を描いた作品です。
若い頃には同性にモテていた女の子もやがて結局は異性と結婚してしまうという、
同性愛の限界というか現実を突きつけられている感じもしますが、
そこから始まる新しい恋もある…ということで一応前向きな感じにはなっています。
scene9
志乃は、ルームメイトの民子に密かに恋する女性。
民子から男性を紹介されても「好きな人がいるから」と断ったりします。
そんなある日、志乃は眠っている民子にキスしようと唇を近づけるのですが・・・。
こちらも社会人ものです。年齢はやはり20代半ばくらい。
2人の住むアパートでの日常描写が細かくて生活感があり、
百合漫画としてはちょっと珍しいタイプかもしれません。
無毛信仰
下の毛が生えてきたことにコンプレックスを抱く女の子が主人公です。
男性との絡みもあるので全体的には百合ではないですが、
家庭教師のお姉さんにキスしたり、
下半身を見せてもらったりする場面があります。
こちらはもともとは「どうにかなる日々」とは別の作品ですが、
コミック第1巻にまとめて収録されています。