クローバー

 作品概要

橘4姉妹(一花・風香・美鳥・卯月)の
それぞれの恋を描いたオムニバス作品。

主人公はエピソードによって異なり、
高校生である四女の卯月の物語から始まって、
三女の高校時代の話、次女の高校時代の話、長女の・・・という具体に
だんだん遡っていく構成になっています。

姉妹ものではありますが、姉妹どうしで恋愛をするわけではなく、
姉妹4人がそれぞれ別々の相手に恋をするお話になっています。

 収録作品紹介

彼女の隣

四女・卯月が主人公のお話。
自由奔放でマイペースな転校生・志穂の世話係を
押し付けられてしまった卯月は、
志穂に振り回されながらも、少しずつ彼女に惹かれていきます。

2人が友達としての第一歩を踏み出したあたりで終わるので、
もっと続きが読みたかったというか、ちょっと惜しい感じの作品です。
連載開始当初は毎回主人公が変わるとは発表されていなかったので、
まさかここで卯月のエピソードが終わりとは思いませんでした・・・。

bitter girl

三女・美鳥が主人公。
彼氏のいない者どうし、バイト先の女の子・杉浦と
試しにしばらく付き合ってみることにした美鳥。
2人は本当の恋人のように順調に仲良くなっていきますが、
美鳥が男の子から告白されたのをきっかけに転機が訪れます。

一見ポーカーフェイスでクールっぽいのに、
結構恥ずかしい台詞を平気で言ってくる杉浦が面白いです。
最終的には明確に恋愛として描かれている点や
文句なくハッピーエンドになっている点を考えると
四姉妹の中で一番百合度が高いのは美鳥かも。
他の主人公のエピソードでも
杉浦と付き合っているようなことがチラっと描写されていたりします。

春よ恋

三女・風香が主人公。
風香は同級生の女の子・橋本に恋をしているのですが、
彼女にすでに好きな人がいると知って、
自分はあえて応援してあげる側に回ります。
風香のはからいのおかげで橋本は想い人と上手くいったと思われますが、
風香はあまり報われませんね・・・。

夢心

四女の一花・・・ではなく、その幼馴染の和代が主人公。
和代は一花のことが好きなのですが、
一花にはすでに彼氏がいますし、
和代のことを恋愛対象としては見ていないようです。
それでも、和代は一花の側にずっといたいと願い続けます。

2人が結ばれてハッピーエンドとはなっているわけではありませんが、
今後の可能性としては否定されていませんし、
未来に希望は持てるお話だと思います。

Happy Days

美鳥のエピソードの続編で、単行本での描きおろし。
杉浦と付き合いはじめて四年半が経ち、
美鳥は幸せだけど何か満たされない感覚を感じ始めています。
いわゆる倦怠期というやつなのでしょうが、
最終的にはそれを乗り越えてなんと結婚の約束までしてしまうので、
収録作の中ではこれが一番百合度の高いエピソードかもしれません。
作者もあとがきで百合度を補充する感じで描いたとコメントしています。

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