ゆりてつ

 あらすじ

百合ヶ咲女子高校に入学したばかりの日野はつねは、
慣れない電車通学で迷ってしまい、駅でウロウロしていたところを
鉄道好きの女の子3人組から声をかけられる。

その3人とは、食べるのが大好きな「駅弁テツ」石塚まろん、
電車を写真に取るのが大好きな「撮りテツ」能登まみこ、
電車でアニメの聖地巡礼をするのが趣味の「乗りテツ」鶴見はくつる。

3人に誘われるまま、寝台列車「北斗星」に乗ったはつねは、
なし崩し的に鉄道部の4人目のメンバーとして北海道まで旅行することに…。
こうして百合ヶ咲女子高校鉄道部、略して「ゆりてつ」の活動が始まった。

 みどころ

鉄道マニアな女子高生3人+初心者1人が繰り広げる鉄道旅行漫画。

鉄道に関するうんちくが非常に豊富で、
毎回登場する電車や土地柄について、
それぞれ趣味嗜好の違う3人の視点から様々な魅力が語られます。
主人公のはつねが鉄道初心者ということで、
鉄道に詳しくない読者でもついていけるような配慮もされています。

1巻前半は豪華な寝台列車に乗ったり(鉄道マニア的な)観光名所を巡ったりと
スケールが大きいですが、後半になるとやや落ち着いて
東京周辺の路線や町に関する地域密着型のエピソードも多くなります。

秘境駅へ行こう! (小学館文庫)

 百合ポイント

ゆりてつメンバーの4人は非常に仲が良く、
行く先々でイチャついている姿を見ることができます。
何かというと手をつないだり、抱きついたり、
寒いときには全員で寄り添って暖めあったり…。

特に主人公はつねの好かれっぷりはかなりのもので、
他の3人から並々ならぬ好意を寄せられています。
この作品に登場する女の子は全員はつねが好き、といっても過言ではないほど。
特にバレンタインのエピソードでは互いに抜け駆けしないように牽制しあうなど、
なかなか熾烈なはつね争奪戦が繰り広げられています。

しかも「私たち、女の子なのに、はつねちゃんのことを…」のように
女の子同士であることを意識した表現がちょくちょく登場するところからすると、
この気持ちが単なる友情を超えつつあることを本人達も自覚しているようです。

一方ではつね本人はというと、無邪気で子供っぽい性格のためか
周囲から好かれまくっていることをあまり自覚していないようです。
特定の誰かが好きというより、
「ゆりてつ」の仲間みんなを同じくらい好きだという感じ。

それでも、そんな純粋で素直なはつねの口から出る一言一言が、
はつねに恋する3人のハートを捕らえて離さないようです。
本人に自覚なさげとはいえ、かなりの天然女ったらしっぷりです。


最終更新:2012/6/21
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