執事少女とお嬢様

 あらすじ

白樺学園でごく普通の生活を送っていたひなただったが、
ある日突然、両親が莫大な借金を背負って失踪してしまう。

事情を知った学園理事長の沙織は、ひなたにある提案をする。
それは、ひなたが引き続き学園に通えるかわりに
沙織の妹である沙綺専属の「執事」として働くというものだった・・・。

 みどころ

「落花流水 」 「さつきばれっ! 」で百合好きにはおなじみの、
真田一輝さんの作品。
両親が借金を残して失踪とか、金髪ツインテールなツンデレお嬢様のもとで執事とか、
そこはかとなく何かに似ているように感じてもきっと気のせいです。

メイドとお嬢様という組み合わせなら他にもありそうですが、
女の子がメイドではなく執事をやるというあたりが新しいかもしれません。
執事というだけあってひなたは燕尾服を着ていますが、
別に男装ものというわけではなく(ストーリーの都合で男装する場面も一部ありますが)、
あくまで女の子どうしの物語として描かれています。

 百合ポイント

ひなた×沙綺

ひなたは沙綺の執事になる前からひそかに沙綺に憧れており、
沙綺のもとで働けると聞いて当初は少なからずドキドキしていました。

ですが沙綺は学園で見せている品行方正な優等生の姿とは裏腹に、
家ではすごくわがままで自分勝手なお嬢様でした。
そのうえ、姉である沙織のことを強烈に慕っている超シスコンで、
部屋に沙織の写真を大量に飾ったり、
こっそり沙織の枕を抱きしめて恍惚としたりするほどです。

そんな沙綺の本当の姿を知って、ひなたの沙綺に対する憧れは早くも揺るぎ始めます。
一方沙綺のほうも、
執事として決して有能ではない(というか素人です)ひなたに少なからずイライラ。

そんな感じで最初はなかなか上手くいかないのですが、
やがてひなたは沙綺のうわべだけでなく本質的な部分も好きになろうとしますし、
沙綺のほうも不器用ながら次第にひなたのことを気にかけるようになっていきます。

最終的には、単なる主従の関係を超えて、
個人としてお互いのことを「大好き」と認め合える関係を築いています。

その他

登場人物はほとんどが女の子で、百合要素のあるキャラが他にも多数登場します。

麻衣
ひなたの親友の麻衣はひなたのことが大好きで、
勝手に嫁を自称しているほどです。
もともとは寮が一緒なこともあって
麻衣がひなたにとって一番近い存在だったのですが、
ひなたが沙綺の屋敷で住み込みで働くことになってからというもの、
麻衣は少し寂しい思いをすることになります。

後半は麻衣のひなたに対する気持ちが
ただの友情ではないことを感じさせるエピソードもあるのですが、
最終的には沙綺のことを認め、
ひなたに素直になれない沙綺を諭す役回りになります。
この時の「ひなたはあなたの執事(もの)でしょう?」という台詞は
コミック2巻の帯に使われているほどです。
空子
沙綺とおなじくお嬢様キャラの空子は、沙綺の許婚(のちに愛人)を自称しており、
沙綺に対して何かと過剰な愛情表現を行っています。
沙綺と親しげなひなたは何かと空子から目の敵にされるハメに。
陽菜
沙綺の姉・沙織の執事をしている陽菜(もちろん女性です)は、
基本的にはクールで無表情なキャラなのですが、沙織のことが大好きで、
沙織に関しては恥ずかしいこと(愛とか)を堂々と言ってのけます。
沙織のほうも陽菜のことも全面的に信頼しており、
ただの主従の関係ではないことを伺わせるシーンもあるのですが、
断片的にほのめかされる程度なので詳しいことは不明。

最終更新:2011/01/13
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