あらすじ |
無口なクラスメイト・氷川左の落としたノートを偶然拾った夏樹は、
左が怪しく淫らな内容の小説を書いていることを知る。
その小説の内容に引き込まれてしまった夏樹は、
小説のことを皆に秘密にすることを条件に、なかば脅すように続きを要求する。
百合ポイント |
百合姫やつぼみでおなじみの、袴田めらさんの作品。
帯によると、「作者史上 最高に艶かしくて 衝撃的で 切ないガールズラブストーリー」
「至高の百合」。
彼女の世界
物語全体を通して、左が書いた小説が重要な意味を持っています。
その小説は可憐な少女が悪魔に陵辱されるという内容で、
普段の無口な左からは想像もできないようなものでした。
そのギャップもあってか、
夏樹はその小説にどんどんのめり込んで行きます。
小説の内容に影響されたのか、
やがて夏樹の態度も作中の悪魔のように過激で強引なものになっていきます。
そのように左を苛めるような行動を取る一方で、
やがて夏樹は左自身にも心惹かれていきます。
夏樹が左に恋していることを自覚した頃には、
夏樹はすっかり左のことばかり考えており、もはや主導権が逆転しているようにも見えます。
やがて2人はお互いに純粋に好意を持つ間柄になり、
当初のような脅迫による関係ではなくなります。
最終的には肉体関係を持った描写まであります。
ちなみに漫画に登場する左の小説は
袴田さんの友人の優凪ももさんという方が書いているそうです。
ただこの小説、漫画の中では断片的にしか描写されないのでいまいち魅力が伝わりづらく、
この小説にどんどんのめりこんでいく夏樹と若干の温度差を感じます。
また、夏樹のことが大好きな親友や、左が想いを寄せていたらしい先生など、
結局何だったのかよくわからないまま終わる部分もあります。
1巻で完結ということでいろいろと短くまとまっている作品です。
最終更新:2012/1/17