さくらの境

 あらすじ

両親が急に海外に転勤することになったさくらは、
日本に残って叔母の多摩子の家で暮らすことに。

ところが、その多摩子も仕事で家を空けることになってしまい、
以前から多摩子と仲の良かったご近所さんの上桜姉妹が
さくらといっしょに住んでくれることになった。

上桜姉妹の姉の一子(いちこ)は自由でお気楽な女の子。
そして妹の二子(ふたこ)は対照的にしっかり者の美少女。
でも、実は二子には気を許した相手に極端に甘えるクセがあって、
二子に気に入られてしまったさくらは・・・。

 みどころ

タイトルは「さくらのきわ」と読みます。

さくらと上桜姉妹(特に二子)、そしてたまに多摩子の日常を
ゆるやかに描いた作品です。
作者自身が「ぼーっとした漫画」と言っているとおり、
特に大きな事件が起きることもなく、平和な日常が描かれています。

作中時間が連載時の現実の時間経過に沿って進行しているため、
平和な日常の中にも徐々に小さな変化が現われているのもみどころです。

あと、猫がたくさん登場するので猫好きにもおすすめ。

 百合ポイント

百合百合でラブラブ?

こくにこれといった事件も起こらない平和なストーリーですが、
そんな中で一番のみどころはさくらと二子のラブラブぶり。
コミック巻末の作者コメントでも
「(テーマは)百合百合でラブラブ」「最近百合まんがとか流行ってるし」
などと書かれており、意識的に百合な内容にしてあることがわかります。

二子は当初はしゃきっとした感じの、
なんでもこなせる美少女というふうに描かれていたのですが、
風邪をひいてさくらに看病をしてもらった時から
意外な一面をのぞかせるようになります。

それは好きになった相手に徹底的に甘え尽くすというもので、
以来なにかというとさくらの所にやって来ては
さくらに抱きついたりすりすりしたりするようになります。
最初は戸惑っていたさくらも、だんだん慣れてしまい、
やがてまんざらでもない反応をするようになります。

ストーリーが進むにつれて2人のラブラブ度は上がっていき、
一緒にお風呂に入るようになり、同じ布団で寝るようになり、
キスまで普通にするようになります。
「おはようのちゅー」「おやすみのちゅー」
「行ってらっしゃいのちゅー」「おかえりのちゅー」、そして
「○巻に続くのちゅー(各巻の最後のページのお約束)」など、
キスの頻度もだんだん上がっていきます。

2人の関係は学校でもすっかり噂になっているほどで、
普段のしゃきっとした二子しか見ていないクラスメイト達は
二子に甘えてもらえるさくらをうらやましがっています。

2人の間にあるのが恋愛感情かどうか等について
恋愛漫画的に深く掘り下げられることはあまりありませんが、
あくまでナチュラルにイチャイチャしている2人が微笑ましい作品です。

最終回の一子による未来想像図では
さくらと二子が結婚している姿が描かれています。


最終更新:2009/10/31
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