学園ポリーチェ

正義の味方に憧れる女の子・笹見青葉は、
学校で起こる様々な事件の潜入捜査を行う特殊な警察官、通称ポリーチェである。

花垣女子に転校生という形で配属された青葉だったが、
どういうわけかこの学校には事件の臭いなどなく平和そのもの。
先に配属されていたもう一人のポリーチェ・桜庭緑も、
ここにはポリーチェの仕事はないから大人しくしていろという。

しかし困っている人を放っておけない青葉は、
本来ポリーチェの管轄ではない身近な小さな事件を解決するために奔走する。
緑も、青葉の暴走にあきれながらもなんだかんだで協力するように・・・？

「くちびる ためいき さくらいろ」 「GIRL FRIENDS」 などで百合好きにはおなじみの、
森永みるくさんの作品。

1巻の帯によるとジャンルは「百合＋警察モノ！？」で、
刑事ドラマ好きの森永さんの趣味がいかんなく発揮されています。
有名ドラマのパロディなどの小ネタも随所に登場。

森永さんのこれまでの作品や帯のコピーから百合展開を期待してしまいますが、
そのあたりは序盤ではまだまだ控えめです。
1巻の時点では世界観や設定の説明、
ご近所の事件の捜査などが主な内容になっています。

正義感に燃える青葉が勝手に管轄外の事件に首を突っ込み、
クールな緑がそれを止めようとするのが基本パターン。
しかし、緑もなんだかんだで協力してくれることが多く、
少しずつですが２人の間に友情のようなものも感じられるようになっていきます。

とあるシーンでは青葉が緑を「大事なパートナー」と呼んでおり、
1巻の中では一応このへんが百合的なみどころかもしれません。
これを（たぶん意図的に）曲解した新聞部に、
２人は百合な関係だという記事を書かれたりもしています。

・・・このへんが一番のみどころなことからもわかるように、
序盤の百合要素はまだまだこれからといったところ。
森永さんがご自身のブログで
「大好きな刑事物＋百合です」「まじめに女子高生刑事百合ものかくつもりです」
などとコメントしているので、今後の盛り上がりを気長に待ちたいところです。

1巻の最後ではかつて緑のパートナーだったという少女が登場し、
次巻からの本格的な百合展開を期待させてくれます。

各巻感想リンク

• 1巻