あらすじ |
中学生の中町かなは、唯一の肉親であった祖母を亡くし、
一人ぼっちになってしまう。
偶然立ち寄った風新新聞の専売所で
住み込みで働かせてもらうことになったかなは、
賑やかな仲間達に囲まれつつ、今日も元気に生きていく。
みどころ |
「スズナリ!」や
「flower*flower」などの百合漫画で知られる石見翔子の4コマ漫画。
主人公・かなの健気さと仲間達の優しさに心温まる作品ですが、
ときどき入ってくる下ネタや黒いネタもいい味を出しています。
2009年にはTVアニメ版も放映されました。
百合ポイント |
登場人物は基本的に全員女の子。
たまに男が登場することがあっても、その話限りの脇役であることがほとんどです。
かなを一方的に溺愛している人がいたり、
かなとちょっと百合っぽい友情を育むクラスメイトがいたり、
百合っぽい要素を持ったキャラがちょくちょく登場します。
ユメ×ユーキ
かなが働く新聞販売所の先輩であるゆめ(ユメ)とゆうき(ユーキ)は、
初期の時点からすでに恋人同士として描かれていて、
登場する度にイチャイチャしている姿を見ることができます。
単行本のあとがきにわざわざ「ユメとユーキはなんとガチカプ!!」と明言されているほど。
ユメは基本的には明るく素直な良い子なのですが、
ちょっと天然気味なところがあり、
ユーキとの夜の生活のことを周囲にポロッっと喋ってしまうことも。
そのたびにユーキを慌てさせています。
一方のユーキは普段は冷静でクールなタイプなのですが
ユメに関することになるとデレデレで、周囲が見えなくなります。
そのギャップが面白いキャラです。
はるか
ゆめ達と同じく新聞販売所の先輩であるはるかは、
2巻冒頭のキャラクター紹介で「ようじょ好きのちょっとアレな人」とされているとおり、
ようじょが大好きで、特にかなをひたすら溺愛しています。
あまりにベタベタしすぎなうえにセクハラまがいなことも平気でするので
かな本人からは苦手がられていますが・・・。
また、作中屈指の下ネタ担当でもあり、
「女の子の豆」「女の子の栗」といった言葉を意味深に繰り返す場面も。
こんなですがアニメ版の担当声優は堀江由衣さん。
一応、ただの頭のおかしい人というわけではなく、
知的で理性的な大人の女性の面を見せることもあります。
稀に見せるその表情には、かなも思わずギャップ萌え?
ちなみに本当に幼女(15歳まで)にしか興味がないらしく、
かなが高校生になったエピローグではかなに対する態度が大人しくなっていました。
美華
かなのクラスメイトのみかは、古風な喋り方が特徴のツンデレお嬢様。
でもなぜか新聞配達をしている(かなとは別の新聞)など、謎の多いキャラです。
2人は友達になり、ときどき百合っぽいやりとりが出てくるようになります。
意味深に見つめあったり(この時背景に百合の花が咲く)、
間接キスでドキドキしたり、お互いを変に意識してしまうことが多いようです。
当初は微笑ましい友情といった感じだったのですが、
ストーリーが進むにつれて、みかのかなに対する気持ちは
友情という言葉ではちょっと言い表せないレベルになっていきます。
かなが他の女と仲良くすることに嫉妬したり、
かなの何気ない一言をいちいち百合な方向(しかも若干性的なニュアンスを含む)に
誤解して興奮してしまったり・・・。
もともとツンデレキャラだったはずですが、ツンツンした感じはいまやあまりなく、
みか自身もかなに直接「好き」と言ってしまうくらいデレデレです。
単行本巻頭のキャラクター紹介でもいつからか公式に
「かなのことが大好き」「かなラブ」などと書かれているほどです。
作中後半の描写も合わせて考えると、どう見ても恋愛感情を抱いています。
一方でかなのほうは、みかの気持ちを知ってか知らずか、
わざとじらして楽しむような魔性の女な面が目立つようになっていきます。
純粋無垢(だったはず…)なかなが、
みかに対してだけはやけに意地悪に見える場面も・・・。
ですがかなにとってもみかが大事な存在なのは間違いなく、
終盤はみかの言葉によってある重大な決意を固めています。
最終回のラストシーンはかなとみかの2人で締められています。
もはやみかが完全にこの作品のヒロインです。
ちなみに、単行本カバー下の謎のおまけ漫画「ねこかな」もかな×みか路線。
長編作品の1シーンを切り取ったという設定らしく、
ストーリーは断片的にしかわからないのですが、
かなのみかに対する気持ちがもしかすると本編以上にはっきりと描かれています。
特に最終回の最後の台詞が印象的。
「かな・・・」
「大丈夫。私がいるよ。私にも、みかちゃんがいるよ。だから大丈夫。」