ちょっとかわいいアイアンメイデン

百合に憧れて名門女子校に入学した、普通の女の子（多分）の武藤結月。
しかし美人の先輩・碧生の勧誘で連れてこられた先は、
拷問を研究・実践する部活「拷問部」だった。

人をいたぶる性能がある逸材だと言われ、最初は困惑していた結月だったが、
次第に秘められていた拷問の才能を開花させていき・・・？

なんと拷問をテーマにしてしまった4コマ漫画。
タイトルにもある「アイアンメイデン」を始め、毎回さまざまな拷問が登場します。

といっても決して残酷な内容ではなく、基本的にはギャグ漫画。
なんでもかんでも拷問に結びつけるセンスはある意味天才的です。
萌え系の可愛い絵柄もあり、
特殊な趣味のない方でもすんなり入り込めるようになっています。

拷問部は実は戦前からある由緒正しい組織という設定。
「正義の拷問」を信念としており、
その追求する拷問道は意外にも奥深いものがあります。

守りたいものを守るために誰かが手を汚さなければいけない時、
それができる人間が必要・・・そんな崇高な理念が語られる場面もあります。

登場人物はほとんどが女の子で、拷問するのもされるのも美少女。
そんな舞台設定のため、百合っぽい描写が頻繁に登場します。

主人公の結月は百合が大好きという設定。
コミック第2巻にあるプロフィールによれば、好きな作品は
「マリア様がみてる」 「ストロベリー・パニック」
「魔法少女リリカルなのは」 「咲 -Saki-」 。

現実でも百合願望を持っており、自分や周囲の人間がそれっぽい雰囲気になると
「女子校イベント」「神イベ」などと言って大興奮しています。

胸の大きな女性が好きで、特に先輩の碧生には並々ならぬ執着を持っています。
碧生に胸に夢中になったり、碧生を拷問する自分を想像して興奮したりします。

碧生のことを純粋に人間としても尊敬しているようで、
碧生の拷問マニアぶりに若干引きつつも人間性に惹かれている描写が度々登場。
碧生を事実上のヒロインのような扱いにしています。

ちなみに出番は少なめですが結月には卯月という妹がおり、
姉と同じく巨乳好きのようです。

拷問部の最年少メンバーであり初等部の苺花（まいか）は、
部長の悠里に恋しています。

悠里の制服を抱きしめて臭いをかぎながらトリップしたり、
悠里に関するエッチな想像をして鼻血を出したりと、
小学生にしてかなりディープな百合キャラぶりです。

ちなみに結月ほどではないにせよアニメ好きのようで、好きな作品は
「青い花」 「星川銀座四丁目」 「魔法少女まどか☆マギカ」 。
決してメジャーとは言えない「星川銀座四丁目」を挙げているあたり、
やはり小学生らしからぬディープな趣味が伺えます。

拷問部以外にも、百合っぽい要素のあるキャラクターがちょくちょく登場します。

例えば生徒会長の蝶野理沙は、
女の子が大好きで百合ハーレムを目指しているという設定。
普段は軽いノリの変人な印象が強いですが、
いざという時には女の子を守るため自らを危険にさらすことも厭わない、
みどころのあるキャラクターです。

そんな理沙を慕っている女の子は多く、
生徒会経理の紗智子、追っかけの小恋愛（ここあ）など、
明確に恋愛感情を抱いているキャラもいます。

コミック第2巻から暗躍を始め、
第3巻からは明確に拷問部のライバルとして描かれてているのが「洗脳部」。

拷問部が（本人達によれば）正義の組織であるのに対し、
洗脳部は洗脳による学園の支配を目論む悪の組織。
洗脳の手段も、現実世界のそれに基づいてリアルかつ陰湿なものになっています。

しかし内部が百合の園状態になっているのは拷問部と同様で、
そちらの方面ではなかなかみどころの多い組織です。

特に総統である高田我羅奢（たかだ がらしゃ）は
過去に拷問部に潜入工作員として在籍していたことがあり、
その頃に悠里と非常に深い関係だったことが示唆されています。
悠里の掘り下げという意味でも今後の動向に注目のキャラです。

コミック第3巻の発売に合わせ、ドラマCDが制作されました。キャストは以下の通り。

武藤結月：山本希望
舟木碧生：伊藤静
小橋悠里：寿美菜子
新崎苺花：上坂すみれ
小橋蒼空：内田愛美
杏璃・シウバ：明坂聡美
藤原志士子：生天目仁美
木村美奈子：豊口めぐみ

ストーリーは全4話構成で、第1〜3話は原作準拠、第4話はオリジナル。

原作ではごく一部のエピソード二登場するだけの杏璃・シウバが、
このドラマCDでは第2〜4話に続けて登場するという意外な扱いを受けています。
ただし、ほぼずっと拷問を受けっぱなし。

また、拷問具販売店の店長であり拷問部OGでもある志士子も3話・4話に続けて登場し、
原作以上の活躍を見せています。
志士子と拷問部の同期であり現在は警察官の美奈子というキャラも登場し、
志士子と意見を対立させながらも友情をのぞかせます。

• ドラマCDの感想

いったい何を血迷ったのか、2014年7月19日よりなんと実写映画版が公開されます。

結月が強引に「拷問部」に入部させられる、という導入部は同じながら、
碧生との恋愛要素が原作以上に強調されており、
拷問と絡めてかなりハードなストーリーが展開されるようです。

映画公開前にメイキングDVDが発売されており、
結月の濃厚なレズシーンを一足先に見ることができました。

• 実写映画版メイキングDVDの感想