まんがの作り方

 あらすじ

主人公の川口さんは、13歳で漫画家デビューしたものの
その後鳴かず飛ばずで漫画の世界から遠ざかっていた女の子。

再デビューを志すもネタが思いつかない彼女は、
最近流行っているらしい百合というジャンルに目をつける。
そして、そのネタ探しのために
自分に恋している女の子・森下とのお付き合いを始めるのだが・・・。

 みどころ

百合漫画のネタを探すため・・・
というちょっと変わった理由でお付き合いを始める2人のお話。
タイトルの通り、漫画執筆の裏側や漫画家になるための過程、
漫画家としての苦労等がストーリー上大きく扱われていますが、
独特のシュールな雰囲気とテンポ、そして2人の百合な関係もみどころ。

なお、もともとは
龍神賞(徳間書店「COMICリュウ」の賞)銀賞を受賞した読みきり作品で、
その続きがそのまま連載化されたという経緯があります。

 百合ポイント

主人公である川口さんと森下のお付き合いを中心に物語が展開していきます。

川口さん

川口さんは「百合漫画を描くため」という理由で森下と付き合い始めるものの、
もともとは特に女の子好きだったわけではないようです。
また、百合というジャンルに目をつけたのも、
流行っていると聞いたからであって、それ以前から興味があったわけではありません。

しかし森下が慕ってくれることには川口さんも決して悪い気はしていなかったようです。
森下との「お付き合い」を始めた後も、最初は形だけだったはずが、
だんだん川口さんのほうから自発的に恋人らしい行動を取るようになっています。
コミック第3巻ではついに自分が森下のことを好きだということを自覚し、
改めて森下に告白をしています。

そこから先の2人は自他ともに認める正式なカップル。
時々ちょっとだけすれ違いがあったりしながらも、
お互いへの好意をきちんと伝えあい、順調にお付き合いを続けています。
最終回は、そんな2人のこれからも変わらぬ愛を感じさせるシーンで締められていました。

まんがの作り方 8 (リュウコミックス)

森下

森下は物語開始時点ですでに川口さんに明確な恋愛感情を持っており、
川口さんから付き合おうと言われた時も即答で承諾していました。

基本的には明るくてノリの良い女の子ですが、
マイペースでドライな性格の川口さんを一途に慕い続ける姿からは
強い愛情が感じられます。

やや口下手な川口さんとは対照的に、
相手への愛情を素直に表現しているのも百合的にみどころです。

武田さん

2巻目あたりから登場するアシスタントの武田さんは、
漫画家志望の生真面目な女の子。
イチャイチャしてばかりで仕事の進まない川口さんと森下を注意するなど、
常識人的なポジションのキャラです。

なかなか漫画家としてデビューできない自身の境遇もあってか、
川口さんと森下に複雑な感情を抱いているような様子もあったものの、
最終的には自分が2人とも「好き」であることを認めていました。

「好き」の意味が恋愛感情だという明確な描写こそないものの、
川口さんと森下のお付き合いを間近で見ることで
様々な影響を受けていったキャラだと思います。

その他

4巻からは森下の担当編集者の吉永さんというキャラが登場。
こちらは裏表紙で
「貪欲に森下さんを狙う肉食系百合お姉さま」と紹介されているほどのキャラで、
編集者としての職権を濫用気味に森下に急接近します。
あくまで川口さんしか眼中にない森下はちょっと困っているようですが・・・。

また、森下にちょっとだけ似ているという野村さんというキャラがおり、
こちらは川口さんのことが大好きです。
政人(川口さんの弟)の大学の先輩ということであまり接点がなさそうなのですが、
最終巻でもちょくちょく登場するなど意外と良い扱いを受けていました。


最終更新:2014/5/27
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