第18話「愛の嵐」 |
渚砂と静馬は、静馬の別荘に向かっていた。
途中までは車、降りてからは徒歩。静馬の別荘の敷地はかなり広い。
車を降りてからも結構な距離があるらしく、二人は紅葉を楽しみながら歩いていく。
昼には玉青の作ったお弁当を食べたりもした。
そうこうしている間に雨が降ってきたため、二人はあわてて別荘まで走る。
そしてやっと別荘に到着。渚砂は静馬から手渡された鍵で扉を開ける。
雨に濡れてしまった二人は、とりあえずシャワーを浴びる。
外の雨は強くなるばかりで、今日中には止みそうに無い。
静馬はいちご舎の深雪に電話をし、今日は帰れそうにないと伝える。
その後、静馬は渚砂を「もう一人のエトワール」が使っていたという部屋に案内する。
彼女の名前は桜木花織。生きていれば渚砂と同じ歳だったという。
そして静馬は自分と花織との過去について語り始める。
かつて静馬と花織は愛し合っていたが、花織は死んでしまった。
それ以来静馬にとっては世界の全てが色褪せた物になっていた。
しかし、渚砂が来てくれたおかげでまた立ち直ることができそうなのだという。
そして、静馬がいよいよ花織について詳しい話を始めようとした時、
渚砂の首にかかっている物が静馬の目に入る。
それは別荘に入る時に静馬が渚砂に預けた鍵だった。
一瞬、静馬はかつて花織がしていたネックレスを思い出す。
そして静馬の中で、渚砂の姿が花織と重なった。
静馬は急に崩れ落ち、渚砂に寄りかかって花織の名前を呼びながら泣き出してしまう。
それを見た渚砂は、自分が花織の代わりとして見られていたことにショックを受ける。
そして渚砂は泣きながら別荘を飛び出してしまう。
我に帰った静馬は後を追い、一緒に別荘に帰ろうとする。
しかし渚砂は静馬を拒む。
「ごめんなさい。駄目なんですね…私じゃ。」
渚砂はそう言って一人で別荘に帰っていくのだった。
翌朝、静馬が目を覚ますと、渚砂はすでにいなくなっていた。
いちご舎の前では深雪と玉青が二人の帰りを待っていた。
しかし帰ってきたのは渚砂一人だけ。
渚砂は別荘からここまで歩いてきたようだ。
かなり疲労した様子で、いちご舎の前に着くなり倒れてしまう。
玉青が渚砂を心配する一方、深雪は静馬がまだ過去を乗り越えていないことを知る。
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みどころ |
これまで順調に親密になっていた渚砂と静馬に転機が訪れる回です。
サブタイトルを始めとして、昼ドラか2時間ドラマみたいなドラマチック(大袈裟とも言う)な演出が印象的です。
突然やって来る大嵐、雨の中走るヒロイン、荒波の打ち寄せる断崖・・・ほとんどメロドラマですね。
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次回予告 |
玉青「冷え切った体に必要な物は、熱いシャワー、暖かい飲み物、そして温もりのあるベッド。渚砂ちゃん、何か飲みたい物はありますか?」
渚砂「ねえ玉青ちゃん・・・」
玉青「それじゃ今晩は暖かいココアにしましょう。渚砂ちゃんがよく眠れるように。」
渚砂「ねえ玉青ちゃん・・・」
玉青「それから、ベッドの毛布を一枚増やしますね。渚砂ちゃんが風邪をひかずにすむように。」
渚砂&玉青「次回、ストロベリー・パニック『リフレイン』。」
玉青「ゆっくり眠ってください、渚砂ちゃん。」
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第19話「リフレイン」 |
渚砂はベッドの上で目を覚ます。側には深雪が座っていた。
深雪は静馬の件で渚砂を傷つてしまったことを詫びる。
そして静馬と花織、そして深雪の過去を語り始める。
3年前、深雪と静馬が3年生だった頃。
深雪と静馬の部屋に、お部屋番の子が付くことになった。
その子の名前は桜木花織。
病気がちで体が弱く、つい最近までは普通に学校に通うことさえできなかったという。
普通のお部屋番は無理なため、優等生の深雪と静馬の担当になったようだ。
面倒事を押し付けられたようで気が進まない静馬だったが、
花織を一目見るや、その可憐で美しい姿に虜になってしまう。
花織は静馬や深雪とすぐに打ち解け、三人は仲良くなった。
特に静馬と花織の仲は親密で、二人で夜にこっそりいちご舎を抜け出して愛し合うほどになっていた。
そして1年ほど経った頃。
静馬は突然、花織とエトワール選に立候補すると言い出す。
あまりに唐突なことに、深雪は驚き、静馬を問い詰める。
静馬はともかく、もともと体が弱い花織にエトワールの激務は務まりそうにないのだ。
静馬は、花織の命が残り少ないことを打ち明ける。
花織はかねてからの病気が悪化し、もう歩くのもつらい状態になっていた。
もう助かる見込みがないから、せめて残りの時間をいちご舎で過ごしたいということになっていたのだ。
静馬はそんな花織との最後の時間のために、二人でエトワールの座を勝ち取りたかった。
事情を聞いた深雪は、二人を全力でサポートすると決心する。
そして、静馬と花織は見事エトワールに輝いた。
しかしその頃には花織の体はいよいよ衰弱し、立つことさえ困難になっていた。
そしてエトワールになって間もなく、花織は帰らぬ人となった。
花織とのこの一連の出来事が、静馬の心の消えぬ傷となっていた。
静馬の過去を知った渚砂は、ただ泣くことしかできなかった。
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みどころ |
深雪の回想がメインの回です
。序盤から少しずつほのめかされつつも謎に包まれていた静馬の過去が明らかになります。
今より若い静馬と深雪が新鮮です。深雪は昔はもう少し髪が長かったんですね。
静馬と花織には明確に肉体関係の描写があります。
このアニメは結構過激な描写が出てくることがありますね。
中庭(?)にある大きな木は、静馬と花織が愛し合った場所です。
この場所は序盤から結構頻繁に登場していますが、今回やっとその意味が明らかになりました。
基本的には静馬と花織中心の話ですが、
静馬に振り向いてもらえない深雪の切ない感じも描かれています。
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次回予告 |
玉青「ゆうべはよく眠れましたか?渚砂ちゃん。」
渚砂「うん、ありがとう。ねえ玉青ちゃん、私お願いがあるんだ。」
玉青「何でしょう?」
渚砂「私、今までずっと玉青ちゃんに迷惑ばっかりかけてきたよね。いつも私ばっかり。それに、いろんな悩み事を聞いてもらったり。」
玉青「そんな、全部私が好きでしてたことですから。」
渚砂「だからね──」
渚砂&玉青「次回、ストロベリー・パニック『告白』。」
渚砂「私に、玉青ちゃんの話を聞かせてよ。」
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第20話「告白」 |
深雪から静馬の過去を聞いてしまった渚砂。
翌日、体調が回復した渚砂は学校に登校する。
渚砂は意外なほど元気に明るく振舞う。
下級生達にはいつも通りの渚砂にしか見えなかったが、
籠女だけは渚砂がどこかおかしいことに気付いたようだ。
渚砂はその日一日明るく振舞ったが、やはり何かおかしい。
玉青はそんな渚砂を心配する。
夜、渚砂は静馬のことを思い出しながらピアノを弾いていた。
そこに籠女が現われる。
籠女は渚砂の本心を見抜いたように「なぜ泣いてるの?」と訪ねる。
それをきっかけにしたように、渚砂は本当に泣き出してしまう。
やがて渚砂を心配した玉青がやって来て、渚砂を部屋に連れて帰る。
渚砂は何かのタガが外れてしまったようで、部屋に入るなりベッドに潜って泣き出してしまう。
千代を始めとする下級生達はそんな渚砂を心配する。
次の日、渚砂は学校を休んでしまう。
渚砂を心配する絆奈達は、千華留に相談をもちかける。
千華留はおいしい物を食べさせれば渚砂はきっと元気になるだろうと提案する。
みんなは多少不安に感じつつも、千華留の案に従うことにする。
絆奈、檸檬、籠女、千代、蕾の下級生五人組はみんなで協力してクッキーを作ることにする。
一方、渚砂は夜になっても相変わらず元気が無い。
渚砂はミアトルになんて来なければ良かったと言い出す。
ミアトルに来なければ、静馬に会うことも、こんなつらい気持ちになることもなかったと。
それを聞いた玉青は心を痛める。
玉青は渚砂に「ある女の子」の話を聞かせ始める。
その女の子にはずっと同室の子がおらず、一年生のころからずっと一人きりだった。
しかし3年目のある日に編入生が来て、同室になった。
それからはずっとその子がずっと元気をくれて、楽しくて賑やかな日々が始まったのだという。
玉青は渚砂に元気を出して欲しいと言う。
渚砂は大事な人の笑顔を取り戻すことはできなかったかもしれないけど、
それ以上にみんなに笑顔をくれた。
玉青はそう言って渚砂に感謝の気持ちを伝える。
そしてそして玉青は部屋のドアを開ける。
すると部屋の外でこっそり様子を伺っていた下級生達が転がりこんで来た。
下級生達は作ってきたクッキーを差し出し、渚砂に元気になるように頼む。
それを見た渚砂はようやく元気を取り戻し、笑顔を見せる。
そしてみんなは久しぶりにお茶会を開くことに。
みんなが帰り、渚砂が寝静まった頃、玉青は渚砂の枕元に立つ。
「みんな…いえ、私は、あなたのことが好きなんです。」
玉青はそう言って渚砂にこっそりキスをする。
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みどころ |
渚砂、玉青、そして下級生達がメインの話です。
サブタイトルの通り、玉青が渚砂に自分の気持ちを告白します。
ストーリー後半で下級生達が一番活躍していたのはこの回かもしれません。
籠女が以外に鋭い洞察力を見せていたのが印象的です。
それにしても、渚砂は食いしん坊キャラが完全に定着していますね。
立ち直ったのはみんなの優しさのおかげですよね?
食べ物のおかげじゃ・・・ないですよね?
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次回予告 |
玉青「起きてください、渚砂ちゃん」
渚砂「ふぁ・・・。おはよう。」
玉青「さあ、着替えてくださいね。そろそろ朝食の時間ですから。」
渚砂「私昨日の夜ね、玉青ちゃんの夢を見たんだ。」
玉青「まあ、どんな夢でした?」
渚砂「あのね、夢の中の玉青ちゃん、なんだかいつもの玉青ちゃんと違ってて、それで・・・」
玉青「それで?」
渚砂&玉青「次回、ストロベリー・パニック 『花のように』。」
渚砂「これ以上は言えない!」
玉青「言ってください!」
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