第11話「戸惑いの練習曲(エチュード)」 |
この学院では、降誕祭(クリスマス)の日にダンスパーティーがあるという。
瑞穂は由佳里や奏達とダンスパーティーの話題で盛り上がる。
このダンスパーティーは基本的に二人一組で参加するが、
一人で参加することもできるらしく、
その場合はエルダーがその子のお相手をすることになっているらしい。
それが目当てでわざと一人で参加する生徒も多いそうだ。
貴子は学院際の日以来、ますます瑞穂を意識するようになっていた。
学院内で瑞穂と会うたび、顔を真っ赤にしてしどろもどろになってしまう。
一方、まりやは少し前から風邪をひいていた。
そして、また瑞穂を避けるようになっていた。
瑞穂はそんなまりやを見て、まりやの部屋に乗り込んで行き、まりやを叱る。
もっと自分を大切にしなければ駄目だと。
瑞穂は小さい頃から、まりやが無理をするときはこうして叱ってくれたものだった。
幼い頃のことを思い出し心を動かされたまりやは、
次の日曜日に瑞穂をデートに誘うのだった。
そして日曜日。
瑞穂とまりやは街へ遊びに行き、ショッピングをしたりして楽しく過ごす。
そしてあっという間に夕方に。
二人はベンチに座り、幼い頃の話をする。
昔の瑞穂はちょっと気弱で、いつもまりやの後ろにくっついていたものだった。
でも、時にはまりやを本気で心配して、本気で叱ってくれた。
それは今でも同じで、まりやはそんな瑞穂のことが好きだった。
まりやは瑞穂にそっと寄り添う。
最初はいたって本気だったのだが、幼馴染だからか、どうしてもふざけ半分になってしまう。
でも自分達にはこれくらいが丁度いいのかも、とも思うまりやだった。
二人が寮に帰る頃にはすっかり暗くなっていた。
帰り道で学院の前を通りかかった2人は、貴子の姿を見かる。
なんと貴子は怪しい男達に誘拐されそうになっているところだった。
瑞穂は男達に果敢に挑みかかり、見事に撃退する。
窮地を救われた貴子は瑞穂に駆け寄る。
しかし、さっきの男のナイフがかすったようで、瑞穂の服は胸元が切り裂かれていた。
そして平たい胸とパットが露わに。
これを見た貴子は、瑞穂が男だということに気づいていしまう。
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第12話(最終回)「ラストダンスは永遠に」 |
貴子はついに瑞穂が男だということを知ってしまった。
しかし貴子はこのことを誰にも言わず胸の内に秘めているようだった。
それでも、瑞穂は貴子に自分の事情をきちんと説明しようとする。
しかし貴子は瑞穂を避けるような態度をとり、話を聞いてくれない。
貴子は決して瑞穂を嫌いになったわけではないようだが、いろいろと複雑な胸中のようだ。
瑞穂はただ、降誕祭のダンスパーティーに参加することを許してほしいとだけ、貴子に伝える。
それをエルダーとしての最後の務めにして、そこでけじめをつけたいと言うのだ。
そして、ダンスパーティー当日。瑞穂の人気はやはり絶大なようだった。
由佳里や奏をはじめ、様々な生徒からお相手をしてほしいとせがまれる。
しかし、貴子の姿だけは会場に見当たらない。
そのころ貴子は会場の外で一人ぼんやりしていた。
そこにまりやが現われる。
まりやは自分と貴子は似ていると言う。
特に、好きな人に対して意地っ張りな部分において。
そして自分の気持ちに素直になるよう、貴子を促す。
ダンスパーティー会場にはクライマックスが訪れていた。
ここでは、エルダーである瑞穂がラストダンスの相手を選び、一緒に踊ることになってる。
生徒達はみんな、自分を選んで欲しいと目を輝かせる。
相手を探して会場を見渡した瑞穂は、そこに貴子の姿を見つける。
瑞穂は貴子をパートナーに選び、貴子は快く承諾する。
瑞穂は踊りながら、貴子に今までの感謝の気持ちを述べる。
そして、けじめを付ける決意をしたと伝える。
しかし、貴子は勝手に決めないで欲しいと言い返す。
誰も瑞穂がこの学院から去ることなど望んでいないし、
貴子自身も瑞穂にいてほしいというのだ。
こうして貴子は初めて自分の素直な気持ちを瑞穂に伝えることができたのだった。
その時、電気が消え会場はまっ暗になる。
誰かが誤って電源を切ってしまったようだ。
貴子はこの隙に瑞穂にキスしようとする。
しかしあと一歩のところでまりやに阻止されてしまう。
まりやは貴子と一応仲直りこそしたものの、瑞穂を渡す気はないようだ。
やがて電気も復旧し、まりやは今度は自分とダンスして欲しいと瑞穂にせがむ。
そして他の生徒達も瑞穂と踊りたいと言い出し、瑞穂は引っ張りだこに。
こうして瑞穂の「お姉さま」としての日々はまだまだ続くのだった。
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