第8話「縮まらない記録(タイム)」 |
最近、由佳里に元気がない。
部活が上手くいっていないのが原因のようだ。
由佳里は陸上部に所属しているのだが、最近タイムが伸び悩んでいるらしい。
由佳里は普段の生活でもふさぎ込むことが多くなり、瑞穂達にも心を閉ざしがちになる。
心配した瑞穂達は相談に乗ってあげようとするが、由佳里はなかなか心を開いてくれない。
そんな由佳里もまりやや一子に励まされて気持ちを動かされ、
瑞穂に自分のことを話し始める。
由佳里が陸上を始めたのは今は亡き義理のお姉さんの影響だったという。
由佳里はお姉さんのことが大好きで、いつもその後を追いかけるように生きてきた。
それは姉が病気で亡くなった今でも同じで、この学院に入ったのも、
陸上を始めたのもお姉さんの影響だという。
瑞穂はそんな由佳里に、自分の髪の話をする。
瑞穂が髪を伸ばしているのは、母親の遺言でそう指示されていたからだ。
しかしその真意は、大きくなったら自分の意思で髪形を選べるようにということだった。
そして瑞穂は、由佳里のお姉さんも同じ気持ちだったのではないかと言う。
きっとお姉さんも、由佳里に自分の意思で生き方を選んで欲しかったのではないかと。
由佳里は瑞穂のそんな言葉に心を動かされる。
その後の一子の説得もあり、由佳里は陸上を続ける決心をした。
今度は姉の影響だけでなく、自分自身の意思で。
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第9話「まりやの気持ち」 |
瑞穂とまりやは幼馴染。
昔の瑞穂はいつもまりやの後ろを追いかけているような子だった。
しかしそんな瑞穂も今ではすっかり成長し、一人で何でもできるし、
みんなから頼られる存在になっている。
まりやはそんな瑞穂を見てうれしく思うが、同時にちょっと寂しさを感じていた。
学院には、文化祭の季節が近づいている。
学院祭では生徒会が何か出し物をするのが恒例になっているらしい。
出し物の内容は生徒達の投票で決まる。
投票の結果、生徒会の今年の出し物はロミオとジュリエットの劇に決まった。
瑞穂がロミオ、貴子がジュリエット。
瑞穂は慣れない演劇に戸惑いつつも、なんとか練習をこなしていく。
ただ、この劇の脚本にはひとつ問題が。
キスシーンがやたらと多く、果てはベッドシーンまであるのだ。
途中まで頑張って練習していた瑞穂と貴子も、さすがにキスシーンでは照れてしまう。
貴子に至っては、キスシーンの練習中に顔を真っ赤にして倒れてしまう。
一方、まりやは瑞穂がみんなと上手くやっている様子を見て複雑な気持ちを抱く。
自分の後ろをついてきていたはずの瑞穂が、いつの間にか前を歩いている。
そんな思いにとらわれたまりやは、なんとなく瑞穂を避けるようになっていく。
そんなある日、貴子がまりやの前に現われる。
貴子は瑞穂について詳しく話を聞きたいというのだが・・・。
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第10話「二人のジュリエット」 |
学院祭が近づくにつれ、皆それぞれ準備に忙しいようだ。
貴子は演劇の練習を通して瑞穂とかなり親しくなっていた。
自分から瑞穂をお昼に誘うことすらある。
どうやら貴子は瑞穂に本格的を意識し始めたようだ。
一方、まりやは瑞穂を避けるようなことこそなくなったものの、
瑞穂の前に出るとなんとなく様子がおかしい。
瑞穂の劇の練習に付き合っていても、
なぜかドキドキして取り乱してしまう。
まりやもまた、瑞穂に対する気持ちが今までとは変わってきたようだった。
そして学院祭当日がやって来て、いよいよ劇の本番が始まった。
瑞穂が貴子の緊張をほぐしてあげたこともあり、劇はスムーズに進行していく。
かねてから不安だったキスシーンも、キスしているフリをすることでうまく切り抜ける。
しかし、そこで思わぬアクシデントが。
貴子の衣装がセットにひっかかり、破けてしまったのだ。
下着が見えそうになり、貴子は恥ずかしさのあまり声をあげそうになる。
瑞穂は衣装のマントを使い、咄嗟に貴子の体を隠す。
そして今にも声をあげそうな貴子の口をキスで塞ぐ。
こうして瑞穂のアドリブでなんとかアクシデントを切り抜け、劇は大成功に終わるのだった。
今回の事件をきっかけに、貴子は瑞穂に対する気持ちを更に強めて行く。
一方、劇とはいえ瑞穂と貴子のキスを見てしまったまりやは、
瑞穂に対する複雑な思いを一層つのらせるのだった。
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