くっつきぼし

 あらすじ

紀衣子は、離れた物を動かす不思議な力を持った女の子。
隠していたその力をクラスメイトの亜綾に見つかってしまった紀衣子は、
亜綾に言われるまま、その力を使った「実験」に付き合わされることになる。

秘密を共有する2人は、一緒の時間を重ねるうちに
少しずつ惹かれあい、やがて一線を越えた関係となっていく・・・。

 作品概要

アニメーション作家の石川直哉さんが
監督・脚本・アニメ制作等をなんと1人で手がけた個人製作アニメ。
個人製作とはいっても時間をかけて丁寧に作っているだけあって
一般のアニメと遜色ないクオリティを持っていると思います。

前編・後編の全2話構成ですが、
前編が2010年8月発売だったのに対して後編は2012年5月。
前編の衝撃的なラストシーンもあって、
その間いろいろと話題を呼んだ作品となりました。

くっつきぼし オリジナルサウンドトラック

 百合ポイント

登場人物は少なく、
ほとんどのシーンが紀衣子と亜綾の2人だけの世界で構成されています。

冒頭のモノローグでは紀衣子の片思いのようにも見えたのですが、
実は亜綾も紀衣子のことが好きで、相思相愛。
キスでお互いの気持ちを確かめ合った後はすっかりタガが外れてしまい、
会うたびにキスをして、さらには学校の教室やプールでエッチなことをしたりと、
どんどん深い関係にはまっていきます。

このあたりの2人の絡みは、大事な部分こそ隠れているものの
時間かけて濃く、官能的に描かれているので必見です。

衝撃の前編ラストシーン、そして・・・

この作品では主人公である紀衣子の心情は比較的わかりやすいものの、
亜綾の気持ちや言動の真意はあまりはっきりと語られないため、
紀衣子が亜綾の行動に驚いたり、振り回されるシーンが多くなっています。

特に衝撃的なのが前編のラストシーンで、紀衣子は
亜綾がなんと実の兄とベッドで抱き合いキスをしている場面を目撃してしまいます。
前編はここで終わっているため、
後編が出るまでにファンの間で様々な憶測が流れることになりました。


真相は後編で明かされるのですが、
亜綾は本気で紀衣子を裏切ったわけではなく、
しかしまったくの誤解とも言い切れない、ちょっと複雑なものとなっています。

とはいえ、最終的には紀衣子はこの件もふまえた上で亜綾の全てを受け入れ、
亜綾も本当は紀衣子のことが大好きだと答えているので、
結果的には障害を乗り越えることで
紀衣子と亜綾の絆はより深まったということもできます。

亜綾の兄に関して多少の後味の悪さこそ残るものの、
後編は前編以上に紀衣子と亜綾の非常に濃い絡みがあり、
最後もハッピーエンドとなっているので、
前編のラストで絶望せずに最後まで見て欲しい作品です。

くっつきぼし オリジナルサウンドトラック 2


最終更新:2012/5/12
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