コードギアス 反逆のルルーシュ

 あらすじ

超大国・神聖ブリタニア帝国が世界の3分の1を支配する時代。
日本はブリタニアの属領となり、「エリア11」と呼ばれていた。

エリア11に住む少年、ルルーシュ・ランペルージは、
謎の少女C.C.(シーツー)との契約により、
いかなる者をも命令に従わせる不思議な力「ギアス」を手に入れる。

ブリタニアに深い恨みを持つルルーシュは、
己の頭脳とギアスを武器に、 仮面の男「ゼロ」を名乗ってブリタニアに戦いを挑む・・・。

 作品概要

絶対遵守の力「ギアス」を手に入れた主人公が、
様々な策謀をめぐらしながら帝国に戦いを挑むロボットアニメ。
ロボットアクションの他にも、戦争や政治、はたまた学園ラブコメ等、
様々な要素が絡み合って物語は進行します。

本来は優しい性格(多分…)ながらも、妹のため、そして亡き母の復讐のため、
あえて悪事を成すルルーシュのピカレスク的な魅力が印象的。
ギアスの使い方だけでなく、その頭脳を使って披露する様々な奇策もみどころ。

ちなみに、ルルーシュの親友でありながら戦う運命にあるスザクとの確執や、
ルルーシュをやや過剰に慕っている弟ロロ(第2期より登場)など、
それほど露骨ではないとはいえ
百合よりもむしろBLっぽい要素の目立つ作品だったりもします。

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また、2012年8月には映画
「コードギアス亡国のアキト公式サイト」の公開が予定されています。

「コードギアス亡国のアキト」公式サイト

 百合ポイント

ニーナ

百合的に注目なのは、
学園パートにちょくちょく登場する生徒会メンバーのニーナと、
第1期のヒロイン的存在であるブリタニアの皇女・ユーフェミア(ユフィ)。

ニーナはある事件の際に偶然ユフィによって助けられたことをきっかけに、
彼女に強い憧れを抱くことになります。

しかしこの事件の現場に2人が居合わせたのは偶然であり、
一般人のニーナと皇族であるユフィとは
本来自由に会うことすら許されないほどの身分違い。
以後、ニーナの中ではユフィにまた会いたい気持ちばかりがつのって行き、
ユフィのことばかり考えているようになります。
自分の気持ちを「恋」だと自覚しているような描写も。

とあるエピソードでは、暗い部屋でニーナがユフィの写真を見て
下半身を動かしながら何かゴソゴソやっているという、
きわどいシーンまで登場しました。

第1期のストーリー後半、
意を決したニーナはついにユフィに会いに行くのですが、
許可など取っていないので案の定警備員に取り押さえられてしまいます。
しかしニーナの事を覚えていてくれたユフィのはかららいにより、
ニーナはなんとユフィと2人きりで話ができることに。

この時の2人の時間はニーナにとってかけがえのない物になったのはもちろん、
ユフィにとっても何か得るものがあったようで、
この夜の出来事は今後のストーリーにも影響を与えます。

血染めのユフィ

しかし第1期ストーリー終盤、
ユフィはルルーシュ(ゼロ)の謀略によって死亡してしまいます。
ユフィの死を知った際のニーナの表情は凄まじく、
もはや顔芸とかいうレベルを超えているのである意味一見の価値あり。
直後の第1期最終回でも非常にヒステリックな行動に出ます。

第2期以降は、ニーナはゼロへの復讐に狂う情緒不安定なキャラクターに描かれがちになり、
ユフィへの愛情の裏返しとはいえ視聴者としては複雑な気分にさせられます。


余談ですが、このニーナは一見大人しそうなのですが
人間的な負の面をやけに強調されることが多く、
植民地の住人である日本人を露骨に差別していたり、
アニメ第2期はマッドサイエンティストとなり大量破壊兵器を開発したりします。
他の生徒会メンバーは基本的に常識人のお人良しが多いので、余計に落差が目立ちます。
第1期終盤〜第2期にかけてたびたび披露する顔芸も、もはやギャグの領域。

最終的にはルルーシュへの復讐心から開放され、
ユフィが本来望んでいた平和な世界のために行動するので
悪い子ではないと思いたいところですが・・・。

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コーネリア・リ・ブリタニア

他にユフィと強い関係を持っていた女性として、姉のコーネリアがいます。
コーネリアはブリタニアの総督であり、普段は非常に厳しい性格なのですが、
妹のユフィを溺愛しており、彼女にだけは非常に甘い面を持っています。
ユフィの膝枕でくつろぐ姿などは、普段の冷たい印象からは想像もつきません。

それだけに、ユーフェミアの死亡を知った際は一時放心状態になっていました。
ニーナと違ってこちらは純粋な姉妹愛でしょうが、
ユフィがたくさんの人間から愛される人物であったことが伺えます。

 ナイトメア・オブ・ナナリー

コードギアスは複数のコミカライズがされていますが、
その中の1つ「ナイトメア・オブ・ナナリー」は
アニメ版とは違ってルルーシュの妹・ナナリーを主人公にした作品です。
アニメとは設定・ストーリーともに大きく異なりなります。

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アニメでは目が見えず足も不自由なか弱い存在として描かれ、
ルルーシュに守られるばかりだったナナリーですが、
この漫画版ではルーシュは序盤でいきなり生死不明になってしまいます。
そしてナナリーはその現場で出会った「魔導器」から
謎のナイトメア(この世界でいう巨大ロボット)を与えられ、
それに乗っている間だけ目が見え、体の自由を得ることができるようになります。
しかしその力は、ナナリーを戦いへと巻き込んでいくことに・・・。

アリス・ザ・スピード

この作品は女の子のナナリーが主人公なためか、
アニメと比べて女の子のキャラクターが増えており、
オリジナルキャラクターも多数登場するほか、
アニメでは男性だったキャラが女の子に変更されている例さえあります。

特に注目は、本作オリジナルの女性キャラ・アリスです。
アリスはナナリーの同級生で、
いじめられていたナナリーを助けたのが縁で仲良くなり、やがて親友になりました。

実はアリスは軍の特殊部隊に所属するギアス使いなのですが、
ナナリーとの出会いは任務とは無関係の偶然であり、2人の友情は本物です。

ナナリーの隠された素性(ブリタニア皇帝の血を引く姫だということ)を知った際も、
それをあえて軍に報告せず、これまでどおりの友情を優先するなど、
ナナリーを非常に大切にしていることが伺えます。
そしてアリスは、出世していざという時にアリスを守る力を得るべく、
積極的に戦いに身を投じて軍での功績をあげようとします。
皮肉にも、それが2人を戦う運命へと導いていくのですが・・・。

今度こそ、大事な親友を

ストーリー後半、ブリタニアと敵対していた謎のナイトメアのパイロットが
ナナリーであったことが発覚。アリスは大きな衝撃を受けます。
そしてナナリーがブリタニアによって処刑されそうになった時、
アリスが取った行動は・・・迷わずブリタニアを裏切り、ナナリーを守ることでした。

「知らず知らずに主人公と敵対する親友」という点で
アニメのルルーシュに対するスザクの関係に似ていたように思えたアリスですが、
真実を知った際に迷わずに親友を選んだいう点で、スザクとは決定的に異なります。

実はアリスは実の妹の命を助けられなかった過去があり、
そのために「大事な人」を守りたいという気持ちが非常に強いようです。
そして今度こそ「ただ一人の親友」であるナナリーを守りたいという想いが、
現在のアリスの最大の行動原理となっています。

私はナナリーの騎士だ、彼女を最後まで守り抜く

終盤のクライマックスでは
ナナリーの意思に世界の運命がゆだねられるのですが、
ここではナナリーとアリスの絆が重要な鍵となっています。
アリスの「私という個はナナリーという個を愛しているわ」という発言、
そしてナナリーの「私がアリスちゃんに抱いた愛情」という言い回しから、
2人がお互いに親友を越えた絆で結ばれているように思えます。

ラストシーンはすっかりこの2人が主役になっており、
ナナリーがアリスを正式に自分の「騎士」に任命する場面で締められています。
「コードギアス」において「騎士」とは姫を守る専属の戦士のことなのですが、
事実上恋人どうしである例が多いため、2人の絆を一層強く印象付けています。

コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー (5) (角川コミックス・エース 175-5)


最終更新:2012/7/9
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