ドキドキ! プリキュア

 あらすじ

相田マナは、明るくしっかり者の生徒会長。
困っている人を見るとほうっておけない性格で、
よく無茶をしては親友の六花をやきもきさせてしまうことも。

ある日、街を襲う巨大な怪物と遭遇したマナは、
みんなを守るため、妖精シャルルの力を借りて伝説の戦士・プリキュアに変身する。

幼馴染の六花とありす、そして新たな友達の真琴も仲間に加え、
プリキュアは人間の自分勝手な心につけこむ怪物「ジコチュー」に立ち向かっていく。

アニメージュ 2013年 12月号 [雑誌]

 みどころ

日曜朝の人気ヒロインアニメ「プリキュア」シリーズの10作目。
今作のテーマは「愛」と「愛から生まれるドキドキ!」。
愛の戦士プリキュアと、自分勝手な心の象徴「ジコチュー」との戦いを描きます。

TVアニメの放送に合わせて映画も制作されており、
歴代プリキュア総出演の「プリキュアオールスターズNew Stage」シリーズや、
単独作品「マナ結婚!!?未来につなぐ希望のドレス!」などが公開されています。

また、雑誌「なかよし」でコミカライズ版が連載され、
こちらは後に描きおろしの最終回を加えて単行本にまとめられました。

映画 ドキドキ!プリキュア マナ結婚!!?未来につなぐ希望のドレス テーマソング

 百合ポイント

プリキュアシリーズの中でも特に女の子率が高く、
主人公サイドのキャラクターはほぼ全員女の子。

レギュラーの男性キャラは敵の幹部や主人公達の家族くらいですし、
男性がメインになるエピソードは基本的にありません。
変身ヒロインものお約束(?)のイケメンお兄さんも一応いたのですが、
中盤に入る頃にレギュラーから外されるなど、思わず同情したくなるほど不遇です。


というわけで、物語の中心は常に女の子。
毎回、女の子たちの強い信頼関係や熱い友情が描かれており、
多くの場合それがそのエピソードの鍵になっています。

それらの女の子どうしの絆が作中で「愛」と表現されているのも注目ポイントです。
前述のとおり男性がストーリーに絡まないため、
この作品で「愛」と言ったら親子愛、または女の子同士の友情のこと。
女の子同士で「愛」を告白する場面が頻繁に登場します。

マナ(キュアハート)

ドキドキ! プリキュア 【DVD】vol.9

主人公のマナは、他者への「愛」に満ち溢れた性格。
困っている人がいたら絶対に助けないと気がすまず、
時には自分の危険すら顧みないことも。
親友の六花から童話の「幸せの王子」に例えられて心配されているほどです。

でもその無限の「愛」こそがマナの最大の魅力であり、
多くの人がそんなマナに惹きつけられていきます。
親友の六花をはじめ、幼なじみのありす、新たな仲間の真琴、
果ては敵だったレジーナまで、
多くのキャラクターがマナの「愛」に触れることで、マナを大好きになります。

変身時の決め台詞「みなぎる愛・キュアハート!」は伊達ではありません。

六花(キュアダイアモンド)

ドキドキ! プリキュア 【DVD】vol.10

キュアダイアモンドこと六花は、マナの親友にして幼馴染。
人助けのために時々無茶をするマナに振り回されつつも、
いつもそばで適格にサポートしてくれます。

当初からマナを「幸せの王子」だと言って心配していましたが、
マナがプリキュアとなって大きな戦いに巻き込まれていると知った時、
六花もまた危険を承知でマナの「ツバメ」になることを申し出ました(第2話)。

その後もすっかりマナの女房役ポジションが板についているため、
妖精たちから「マナの奥さん」と呼ばれる一幕もありました(第10話)。
しかもマナも「奥さんって、いつもそばにいてくれて、頼りになる一番のパートナーでしょ。六花のことじゃん!」と全肯定したことで、自他ともに認めるマナの奥さんに。


ただし六花は非常に嫉妬深い面があり、
マナが他の女の子と仲良くしているのを見て激しいヤキモチに襲われることも。
特に上記の奥さん発言と同じ第10話がみどころで、
単なる友達に対するものとは思えないレベルの異常な嫉妬ぶりを見せてくれます。

「何だろう、この感じ。胸がキュンとなって、チクンとして・・・。昨日から私、何か変・・・。」

このエピソードはる漫画版でも丸一話使って取り上げられ、
アニメとはまた違った形の六花の暴走を見ることができました。


ストーリーが進むにつれ、六花も自分の嫉妬をある程度コントロールできるようになり、
マナに対する過剰な執着はやや控えめになるのですが、
終盤の第44話では久々にマナに対する愛が大爆発。

クリスマス当日、ある理由によりマナが不在になってしまうのですが、
その間も六花はマナのことを考えてばかり。
周囲からも「離れていても六花の頭の中はマナのことでいっぱいね」とひやかされます。
マナからの伝言に「愛してるよ」と書いてあったのを見て、
心の中で「マナ、私も愛してるよ」とつぶやく一幕も。

そして後半ではレジーナに対してマナへの愛を存分に語り倒し、
「あなたマナのことが好きなんでしょう?」と問い詰めます。
その迫力の前に、レジーナもついにマナが好きだと認めてしまうのでした…。


ありす(キュアロゼッタ)

ドキドキ! プリキュア 【DVD】vol.11

ありすは、六花と同じくマナの幼馴染。
普段はおっとりした性格のお嬢様で、みんなを暖かく見守っていることが多いのですが、
大切な親友であるマナのことになると話は別。

幼い頃は内気で大人しい性格で、マナに守ってもらうことが多かったようです。
しかし、そのマナに酷いことを言った男子達に激怒し、
徹底的にボコボコにしてしまったという小学校時代のエピソード(第4話)は、
多くの視聴者に衝撃を与えました。

その後も回想としてマナ・六花との出会いのエピソードがが描かれる(第33話)など、
幼なじみの女の子たちとの絆が非常に強調されているキャラです。


なお他に麗奈というちょっと意地悪な幼馴染がいるのですが、
ありすはその子のこともずっと友達だと思っており、
後にそれを知った麗奈を涙させました。

ありすのマナ達以外との交友関係が描かれた貴重なエピソードであり、
こちらも女の子同士の友情を描いた微笑ましいお話でした(第41話)。
最終回のエピローグでは一緒に登校している仲の良い姿を見ることができます。

真琴(キュアソード)

ドキドキ! プリキュア 【DVD】vol.14

キュアソードこと真琴は、
ジコチューに滅ぼされた「トランプ王国」からやってきたプリキュアです。
そのためプリキュア4人の中では唯一マナ達の元々の知り合いではなく、
自身の不器用な性格もあり、はじめは皆と距離を取っていました。
しかし彼女もまた、マナの積極的なアプローチによって心を開いていきます。

また、真琴はトランプ王国のアン王女のことを非常に強く慕っており、
2人の絆は回想(第7話など)で詳しく描かれています。
ジコチューにより行方不明となったアン王女を探すのが真琴の戦いの当初の目的です。


アン王女を救う日のため、ずっと気丈に振舞っていた真琴でしたが、
最終回ではアン王女とのお別れを前についに弱さをさらけ出す一幕もありました。

「私はずっと、王女様のおそばにいたかった!」
「王女様のいない世界で、もう私は笑うことなんてできない…」

ドキドキ! プリキュア 【DVD】vol.7

ですが最終的には、アン王女の生まれ変わりであるアイちゃんの存在もあって、
真琴も自分なりの新しい希望を見つけることができたようです。

亜久里(キュアエース)

ドキドキ! プリキュア 【DVD】vol.13

キュアエースこと亜久里は、番組中盤から登場する5人目のプリキュア。
普段は小学生ながら変身すると大人の姿になる、ちょっと異質の存在です。

戦闘時は指導者的ポジションとしてハート達を導くキュアエースですが、
日常シーンでは逆にマナのほうがお姉さん。
しっかりしたマナから亜久里が学ぶことも多く、面白い関係が展開されています。

また、第28話では亜久里ちゃんに憧れる同級生・エルちゃんが登場。
小学生らしいとても微笑ましい友情模様が描かれました。
その回限りのゲストキャラかと思いきや、終盤にも再登場(第45話)。
亜久里が最後の別れを告げに来た数少ない人物であったことから、2人の友情が健在であることが伺えます。


また、以下のレジーナとは深い因縁があり、キュアエース自身の出生の秘密も合わせ、終盤に衝撃的な事実が明かされます。

レジーナ

ドキドキ! プリキュア 【DVD】vol.6

第12話あたりから登場する少女・レジーナは、
この作品のラスボス的存在であるキングジコチューの娘。いわば敵です。

ですがレジーナは当初からマナに強い興味を持っており、
「友達にしてあげる」と一方的に言ってつきまといます。
特に第16話「レジーナ猛アタック!マナはあたしのモノ! 」では、
サブタイトルどおりの独占欲とワガママぶりでマナに迫りました。

マナを好きなのはいいとしても、
他の友達を排除して独り占めしないと気が済まないあたりは、
さすがはキングジコチューの娘といったところでしょうか。
嫉妬深い六花の反感を買っていました。


ですがそんなレジーナも、マナとの交流で少しずつ変わっていきます。
それまでの自分勝手な行いを反省するようになり、
そして第21話では、ピンチのマナを救うために自らの命を犠牲にしようとするという、
「ジコチュー」からは考えられない行動を取るまでに。
この場面は作品前半のクライマックスともいえる名シーンです。


レジーナ「あたしね、マナと会ってから、おかしくなっちゃったみたい。  マナに優しくしてもらうと、胸がドキドキするようになったの。  マナがつらそうな顔すると、胸がズキズキするようになったの。  ねえ、何なのかな、この気持ち・・・。」

マナ「それは、人を思いやる気持ち・・・『愛』だよ。」

レジーナ「愛・・・これが、そうなんだ。」

レジーナ 「…マナ、大好き。」


ちなみに、この会話は漫画版でもほぼそのまま採用されていますが、
アニメとはシチュエーションが変わっているため、
大きく印象の異なるものとなっています。
ニュアンスの違いを比べてみると面白いかもしれません。


こうしてマナによって「愛」に目覚めたレジーナでしたが、
なんとこのすぐ後のエピソードでキングジコチューによって連れ去られてしまいます。
しかも強大な魔力より強制的に悪の心に染められ、プリキュアと再び敵対する運命に。

それまでどんなピンチにもくじけなかったマナでしたが、
この時ばかりは大きなショックを受け、
しばらく部屋に閉じこもってしまうほどでした。
この作品における、マナの唯一といってもいいほどの挫折です。
マナにとってもレジーナが大きな存在であったことが伺えます。


作品後半からは、
レジーナをキングジコチューから取り戻すことがマナの大きな目標となります。
そして第39話では久しぶりにレジーナと再会。
レジーナの顔を見た途端にいきなり抱き着くなど、
その回のシリアスムードを吹き飛ばす熱烈なアプローチをかけました。
「あたし達と一緒に行こう、レジーナ。そしてもう一度、愛を取り戻そう!」

一方のレジーナのほうはなかなか素直になれないままだったのですが、
クリスマス回(第44話)で六花に「あなたもマナのことが好きなんでしょう?」と問い詰められ、
ついに「そうよ!好きよ!あたしだってマナが好き!悪い!?」と認めてしまいます。
しかも、その場面をマナ本人に思いっきり聞かれてしまいます。
マナが大喜びする一方、レジーナは文字通りの顔真っ赤。


しかしそれでもレジーナは父親であるキングジコチューを見捨てることはできず、
最終決戦では再びプリキュアと敵対することに。
しかしマナから心からの「好き」の気持ちを伝えられたことで、ついに心を開き、
ともにキングジコチューと戦う決意を固めます。

ラスボス的存在との因縁、そして主人公マナと育んだ「愛」といい、
もはやすっかりこの作品のヒロインです。
エピローグでは平和になった世界でマナと一緒の学校に通う姿が描かれました。

「マナ、大好き!」

 感想リンク

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最終更新:2014/3/12
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